2019年8月21日(水)

経団連、赤字企業への課税強化を容認 中小除外など3条件

2014/9/20付
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経団連は19日、政府が法人実効税率の引き下げの財源として検討する赤字企業への課税強化を、条件付きで認める考えを示した。総務省が同日開いた意見聴取会で答えた。課税強化を認めるのは、給与総額など企業の事業規模に応じて徴税する外形標準課税で、地方自治体の税源となっている。中小企業は対象外とするなど3条件を満たせば容認する方針だ。

政府は2015年度に法人実効税率の引き下げに着手し、数年で現在の約35%から20%台に引き下げる方針だ。仮に実効税率を6%下げるには約3兆円の代替財源が必要になる。政府は外形標準課税の拡大だけでなく、企業の繰越欠損金制度や設備投資減税の縮小などで財源を確保したい考えを示している。

経団連の阿部泰久常務理事が同日、総務省の意見聴取に答えた。総務省は今後、日本商工会議所や地方自治体からも意見を聞いたうえで外形標準課税をどう広げるかの政府案をつくり、自民党の税制調査会に示す。

法人税の実効税率は企業の所得にかかるため、所得課税を外形標準課税に置き換えればそれだけで実効税率は下がる。政府はこのしくみを使い税収総額を減らさずに実効税率を引き下げる考えだ。

法人税は国税部分と地方自治体の収入になる法人事業税や法人住民税に分けられる。外形標準課税は法人事業税の一部だ。大企業からの法人事業税の税収は約2.8兆円あるが、15年度は外形標準課税の割合を今の約4分の1から2倍以上に広げ、実効税率を1.5%以上引き下げる財源にすることを検討している。赤字企業の負担は重く、黒字企業は軽くなり、企業にとっては増益となっても税負担が増えにくいメリハリのきいた税制になる。

阿部氏は「外形標準課税の安易な拡大はすべきでないが、単に反対しているのではない」と述べ、3つの条件が満たされれば経団連として拡大を容認する考えを示した。

1つ目は給与総額に対する課税の見直しだ。現行の外形標準課税は給与総額や利子の支払額に応じて払う。阿部氏は「政府から求められて賃上げしているのに、それで税負担が増えるのはおかしい」と訴えた。具体的な見直し案には言及しなかったが、賃上げ前の給与総額に課税することなどを想定しているようだ。

2つ目は激変緩和のための段階的な拡大だ。「3年程度かけて段階的に広げることもあるのではないか」と提案した。3つ目の条件としては、中小企業を外形標準課税の対象外にすることを挙げた。いまは資本金が1億円を超える大企業が対象になっており、「政治的な環境を考えれば中小に広げるのは不適当」とした。

総務省は3つの条件も踏まえて自民党税調に示す案の詳細を詰める。

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