3大都市圏の基準地価、2年連続上昇 全国は1.2%下落
国土交通省が18日発表した2014年7月1日時点の基準地価は三大都市圏(全用途)が前年比0.8%上がり、2年連続で上昇した。緩やかな景気回復を背景に住宅地が6年ぶりに上昇し、商業地も上昇率が拡大した。全国平均(同)は1.2%下がり、下落幅が5年連続で縮まった。地価は回復基調にあるが、消費増税前の住宅の駆け込み購入の反動が現れ、上昇のペースは和らいでいる。
全国平均 | ▲ 1.2 (▲ 1.8) | ▲ 1.1 (▲ 2.1) | ▲ 1.2 (▲ 1.9) |
三大都市圏 | 0.5 (▲ 0.1) | 1.7 (0.6) | 0.8 (0.1) |
東京圏 | 0.6 (▲ 0.1) | 1.9 (0.6) | 0.9 (0.1) |
大阪圏 | 0.1 (▲ 0.4) | 1.5 (0.4) | 0.4 (▲ 0.3) |
名古屋圏 | 0.9 (0.7) | 1.5 (0.7) | 1.0 (0.7) |
地方圏 | ▲ 1.8 (▲ 2.5) | ▲ 2.2 (▲ 3.1) | ▲ 1.9 (▲ 2.6) |
東京、大阪、名古屋の三大都市圏で地価が上がった調査地点の割合は、前年の36.9%から51.5%に広がった。逆に下落地点は35.7%から23.2%に減り、大都市を中心とした地価の回復ぶりを示す内容となった。
三大都市圏の住宅地が前年の0.1%下落から0.5%上昇へ転じたのは、過去最も低い水準の金利や住宅ローン減税の拡充などで、戸建て住宅やマンションの販売が堅調だったためだ。
13年に先んじて反転した名古屋圏に続き、今年は東京圏と大阪圏でも上昇した。タワーマンションの建設が続く東京の湾岸部では、マンション用地の上昇率が約11%に達した地点もあった。
前年の0.6%から1.7%へ上昇幅を広げた商業地は「虎ノ門ヒルズ」(東京・港)や「あべのハルカス」(大阪市)などの再開発が相次ぎ、東名阪がそろって上昇した。地価上昇をけん引してきた不動産投資信託(REIT)だけでなく、国内外の投資ファンドなどが活発に資産取得に動いており、都心の不動産売買は活況を呈している。
全国平均(全用途)の下落率は前年より0.7ポイント縮まったものの、23年連続の下落だった。用途別では住宅地が1.2%、商業地は1.1%下がった。地方圏の下落率(同)は1.9%と16年ぶりに1%台まで縮小したが、人口減が進む地域の住宅地や商業地は下落が続いている。