再生エネの入札制検討 経産省、買い取り価格柔軟に

2014/10/15付
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 経済産業省は再生可能エネルギーの買い取り価格を柔軟に見直せるようにする。発電コストの安い事業者を優遇する入札制度の導入、価格の改定時期を1年ごとから半年ごとに短くする案などを検討する。国民が負担する費用を抑えると同時に、太陽光発電に偏重した再生エネ制度を見直し、新規契約の中断に揺れる現状の打開策を探る。

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 経産省は15日に開かれた総合資源エネルギー調査会新エネルギー小委員会で、「固定価格買い取り制度」の見直しに向けた論点を正式に示した。太陽光発電への新規参入や発電施設の新増設の凍結など当面の対策も盛り込んだ。小委員会の議論を踏まえ、年内に具体策をまとめる。

 再生エネの参入の9割以上は、電力会社が買い取る価格がほかの発電に比べ高く、事業者に有利な太陽光発電に集中している。そのコストは毎月の電気料金に上乗せされ、利用者に転嫁されている。

 経産省は国民負担の抑制策の一つに、スペイン、ドイツが採用している入札制度の導入をあげた。事業者間のコスト引き下げ競争を促す効果が期待できる。そのほか、価格を決める際に最もコストの低い事業者を基準にすること、価格改定の頻度を上げ、機動的な価格下げを可能にすることも検討課題とした。

 太陽光発電への参入集中に歯止めをかける対策としては、買い取り量が政府が目標とする一定の水準を超えた段階で、優遇価格から他の電源と同水準に切り下げる仕組みなどを検討する。太陽光に代わる電源として、地熱発電を重視、発電した電力を地域内外に送る際、地熱向けを一定程度確保する案などもあがっている。

 経産省は議論を踏まえ、年内に具体的な対応策を打ち出す。同制度を抜本的に見直すことになった場合、経産省は省令を改めたり、2015年以降の国会で再生可能エネルギー特措法の改正を検討することになる。再生エネをめぐっては推進論と見直し論が交錯しており、制度見直しは難航が予想される。

 経産省は小委員会の下に作業部会を設け、電力各社の受け入れ能力の検証も進める。初会合を16日に開き、現在の送電網による受け入れ能力の拡大を検討する。具体的には電力会社が発電事業者から電力を受け入れなくてもいい期間を現在の30日から長く設定し、電力会社が需給の調整をしやすくする案などを検討する。不安定な太陽光で発電する電気をためるための蓄電池や送電網を増強して受け入れ能力を拡大するのも検討する。

 固定価格買い取り制度は再生エネで発電した電力を一定の価格で最長20年にわたり電力会社に買い取りを義務付けている。12年の開始以降、買い取り価格が高く設置が容易な太陽光発電所に事業者が殺到し、国が認定した設備容量の9割超が太陽光に集中している。九州など電力5社は急増した再生エネが送電線の受け入れ能力を超えるとして、10月以降、受け入れを止めている。

 国が同制度の適用を受ける太陽光発電の認定を拡大したことで、国民負担の増大が懸念されている。再生エネを買い取る原資は電気料金に上乗せする形で年2700円(一般家庭)を徴収。認定済みの事業者が全発電所を稼働すれば家庭の負担が1万円を超すことが見込まれる。

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