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小売業、役割広がる イオン東北代表・村上教行氏
再生への闘い(4)

2016/3/9 2:00
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生活を支えるインフラとしての顔を持つ流通業。東日本大震災はその役割を強く意識させるきっかけともなった。国内最大手、イオンの村上教行東北代表に聞いた。

「原発事故の影響で避難指示の対象区域となった福島県広野町に今年3月5日、新店を出した。避難指示は解除されたが、既に避難先で生活基盤を築いた人も多く、人口は約2千人強と震災前の半分。そこで店を運営するのは大変だが、生活インフラを用意すれば、戻る住民もいるはずだ」

村上教行氏

村上教行氏

「店が先か、需要が先か。ニワトリと卵の議論に似た問題だが、誰かがやらなければ何も変わらない。当社はかねて『キツネやタヌキの出るところ』へ大型ショッピングセンター(SC)を出してきた。誰もがそこに住みたいと思うような便利さを、店を通じて提供すること。それが重要だ」

「店はただモノを売る場所ではない。人や情報が集まる拠点だ。実際の拠点を持たないインターネットでは果たせない役割がある。当社は『お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する』という基本理念を掲げている。震災は改めてこの原点の重要性を知る契機になった」

「人が集まる場所だからこそ、有事の際も安心できる施設でなければならない。この次の5年に向け、地域の防災拠点となる大型SCを100カ所作るなど中期的な防災計画を策定した。防災協定などを結ぶ自治体も大きく増えている。小売業が果たすべき役割が広がったように思う」

「天災に見舞われた東北は人口減や高齢化など日本全体が抱える課題が深刻化している地域でもある。そうした場所でどう収益性や継続性を伴う事業をするのか。新たなモデルを築き上げ、発展してきた小売業の底力が問われると思う」

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