携帯周波数20年に3倍 総務省、4K映像に対応
総務省は6日、携帯電話などの無線通信に割り当てる周波数を2020年までに現在の約3倍に拡大する目標を公表した。いちどに送受信できる通信データを増やし、4Kと呼ぶ大容量で高精細な映像なども円滑にやり取りできるようにする。スマートフォン(スマホ)で映像を見たり音楽を聴いたりする人が増えていることに対応する。
無線通信は総務省が割り当てる周波数の電波に音声や映像を乗せて送受信する。スマホの利用が増えて周波数が足りなくなってきたため、新たな割り当て目標を作った。
現在は携帯やPHS、無線LAN(構内情報通信網)といった無線通信を合計すると約960メガ(メガは100万)ヘルツ幅の周波数が割り当てられている。これを20年までに約2700メガヘルツ幅に広げることをめざす。
無線通信網を流れるデータの量は20年までに数十倍に膨らむ見通しだ。4Kや8Kといった次世代ハイビジョン映像をスマホで視聴したり、省エネのために携帯と家電製品の間で通信したりすることが増えるためだ。総務省はなるべく早く周波数を割り当て、無線通信網のパンクを防ぐ。
ただ、これから割り当てる周波数はすでに衛星通信や防災無線などに割り当てられており、携帯が丸ごと使えるわけではない。総務省は携帯と衛星通信などで周波数をどう共用するか検討する。