金融庁、検査・監督改革で有識者会議 月内に立ち上げ
金融庁は金融機関に対する検査・監督のあり方を議論する有識者会議を月内に立ち上げる。同庁はこの数年間、金融機関の個別の融資内容の査定に焦点を当ててきたこれまでの検査手法を転換。適切にリスクをとって持続的に収益をあげられるビジネスモデルづくりに軸足を移している。こうした取り組みを整理し、検査・監督の改革の方向性を議論する。
金融庁の従来の行政方針は「金融検査マニュアル」に基づく厳格な資産査定を通じ、金融機関が不良債権を抱えないことに力点を置いてきた。結果的に、金融機関もリスクを伴う融資に過度に慎重になり、金融の仲介機能を十分に果たしていないとの問題意識が金融庁にはある。
金融庁はすでに個別の資産査定をやめたり、検査と監督を一体的に運用したりしてマニュアル重視の行政から大きくカジを切っている。有識者会議ではこうした取り組みを整理・検証した上で、今後の検査・監督の大きな枠組みを議論。年内をめどに提言をまとめる。