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大企業の先行き景況感 横ばい 日銀短観

日銀が1日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の景況感が先行き横ばいになるなど、個人消費のもたつきを背景に企業心理の回復の鈍さがにじんだ。一方、2014年度の設備投資計画は6月調査の前年度比12.7%増から同13.4%増へ上方修正された。雇用の改善で人手不足感も強まっており、景気の回復力を左右しそうだ。

9月短観では、企業の景況感を示す業況判断DIが消費増税の影響で、もたついている様子が浮き彫りになった。政府・日銀は当初、7~9月期以降は増税の影響が徐々に和らいでいくとみていたが、短観では先行き3カ月後の企業景況感も横ばい圏にとどまった。

ただ企業の設備投資意欲は堅調だ。14年度の設備投資計画は大企業非製造業も6月調査の前年度比4.9%増から同6.3%増へ上方修正となり、9月調査として7年ぶりの高い伸びとなった。

日銀は「維持更新に加えて、能力増強の投資を上積みする動きが出ている」(調査統計局)とみている。中小企業でも設備投資計画は製造業、非製造業ともに6月調査から上方修正となった。

好調な企業収益も投資意欲を支える。製造業、非製造業ともに14年度計画の経常利益は上方修正され、大企業の全産業ベースでは前年度比3.0%減となった。13年度が同35%増と大幅増益だった反動で前年度比ではマイナスにとどまっているものの、高水準の利益を維持している。

今回調査は円安が急速に進んだ8月27日から9月30日にかけて実施された。調査開始時点は1ドル=103円台だった円相場は110円目前まで円安が進行した。円安による円建て輸出額の増加を通じ、輸出企業の収益を押し上げた面もある。

14年度の大企業製造業の想定為替レートは1ドル=100円73銭で、6月調査の100円18銭から円安方向へ修正された。足元の実勢レート(110円前後)との差は大きく、収益押し上げの余地はなお大きい。

一時1ドル=110円台まで進んだ円安を巡っては、懸念の声も高まり始めた。輸入物価上昇を通じて、コスト増となる面があるためだ。

30日発表された8月の鉱工業生産が前月比マイナスとなるなど、消費増税後の景気の回復に足踏み感も出ている。堅調な計画通りに設備投資が実行されるかどうかは、企業心理が着実に改善に向かっていくかにかかっている。

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