2018年11月16日(金)

首相、先の大戦「痛切な反省」 米議会で演説

2015/4/30付
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日本の首相として初めて米議会の上下両院合同会議で演説する安倍首相(29日、ワシントン)=共同

日本の首相として初めて米議会の上下両院合同会議で演説する安倍首相(29日、ワシントン)=共同

【ワシントン=永沢毅】安倍晋三首相は29日午前(日本時間30日未明)、米議会の上下両院合同会議で演説に臨んだ。戦後70年を踏まえて先の大戦への「痛切な反省」に言及し、「アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない」と表明。かつて敵対した日米両国が緊密な同盟関係を築いて和解に至った経緯を強調し、世界の平和と安定に貢献する考えを打ち出した。

首相の演説は英語で約45分にわたった。米議会演説は首相の祖父、岸信介首相や池田勇人首相が行ったが、上下両院の合同会議での日本の首相の演説は初めて。

首相は演説で、戦後の日本が「先の大戦に対する痛切な反省(deep remorse over the war)を胸に、歩みを刻んだ」と述べた。同時に「自らの行いがアジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点への思いは、歴代首相と全く変わらない」と言及した。

戦後50年に村山富市首相が発表した談話に盛り込んだ「痛切な反省」という表現を踏襲し、歴代内閣の歴史認識を引き継ぐ考えを強調。一方で中国や韓国が注目する村山談話の「侵略」や「おわび」という表現は使わなかった。

首相は演説で真珠湾、バターン、珊瑚海という戦地に触れ、米国の戦死者に「とこしえの哀悼をささげる」と述べた。日米関係について「熾烈(しれつ)に戦い合った敵は、心の紐帯(ちゅうたい)が結ぶ友になった」とし、両国民による「和解の努力を尊く思う」と語りかけた。

日本の国際貢献については自らが掲げる「積極的平和主義」のもとで「世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たす決意をしている」と力説した。

中東から外交の軸足をアジアに移すオバマ政権のリバランス(再均衡)政策について「徹頭徹尾支持することをここに明言する」と強調。中国の海洋進出を念頭に、国際法の順守や紛争の平和的解決の重要性を訴えた。

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に関しては「単なる経済的利益を超えた長期的な安全保障上の大きな意義がある」と力説した。「日米間の交渉は出口がすぐそこに見えている。米国と日本のリーダーシップでTPPを一緒になし遂げよう」と呼びかけた。

TPP交渉は米大統領に交渉権限を任せる貿易促進権限(TPA)法案の米議会での成立が課題となり、交渉の妥結をめざして協力を訴えた。

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