2019年1月23日(水)

拘束邦人は湯川・後藤氏 政府判断、「イスラム国」犯行濃厚

2015/1/21付
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中東の過激派「イスラム国」とみられるグループによる日本人2人の殺害を警告した動画公開について、政府は21日、人質解放に向け情報収集と米欧関係国への協力要請を急いだ。菅義偉官房長官は午前の記者会見で、映像の日本人が湯川遥菜さん(42)、後藤健二さん(47)の2人だと判断したことを明らかにした。

在ヨルダン日本大使館に到着した中山泰秀外務副大臣らを乗せた車列(20日、アンマン)=共同

菅長官は「家族による確認や諸情報を総合的に勘案すれば湯川氏、後藤氏だと考えている。引き続き映像の分析を進める」と語った。犯行グループに関しては「映像が『イスラム国』によって配信されていることなど総合的に判断し、『イスラム国』関係者の犯行の可能性が高いと現時点では考えている」との認識を示した。

2人の動静については「湯川さんは昨年8月中旬にシリア北部で行方不明になり、『イスラム国』によって拘束された疑いが持たれていた。後藤さんは昨年10月末にシリア北部で行方不明になっていた」と述べた。

公安当局によると、昨年11月以降、後藤さんの妻の携帯電話に「イスラム国」のメンバーを名乗って身代金を要求するメールが届いていたという。

現地対応のためヨルダンに派遣した中山泰秀外務副大臣は20日夕(日本時間21日未明)、首都アンマンの日本大使館に設置した対策本部に入った。拘束場所はシリアかイラクとされるが、現地政府の統治が及んでいない地域とみられ、情報収集は難航が予想される。

警察庁は21日、情報収集活動の強化のため、国際テロリズム緊急展開班(TRT―2)をヨルダンに追加派遣した。

政府は人質解放に向け関係国に協力を働きかけた。英国訪問中の岸田文雄外相は20日夜(日本時間21日未明)、ケリー米国務長官、ファビウス仏外相と個別に電話で協議し「情報収集、早期解放に協力、支援をいただきたい」と要請。ケリー氏は「イスラム国」を強く非難したうえで「日本を全面的に支援する」と表明、ファビウス氏も「一刻も早い解決に向け、全面的に協力する」と話した。

中谷元・防衛相は20日、ロンドン市内でファロン英国防相との夕食会に出席し、情報収集や「イスラム国」への対処方法で支援を求めた。

外務省の斎木昭隆次官は21日午前、外務省内で記者団に「安倍晋三首相が陣頭指揮をとる形で情報収集し、各国との連携、協力を呼びかけている」と語った。中東歴訪を終えた首相は20日夜(日本時間21日早朝)、予定より1時間15分早く政府専用機でイスラエルのベングリオン国際空港を出発した。21日夕に羽田空港に到着する予定だ。

政府は犯行グループが敵視する「イスラム国」対策の2億ドルの拠出は非軍事的な人道支援だと国際社会への発信を強める方針。ただ米国主導の有志連合が「イスラム国」への軍事介入を続けており、日本が米欧との協調をアピールすれば過激派組織を刺激する可能性もある。

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