尖閣など158離島に命名 政府、中国念頭に領土明確化

2014/8/1付
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政府は1日、日本の領海の基点となる約500の離島のうち、沖縄県の尖閣諸島の一部を含む158の無名の無人島の名称を決めて公表した。今後、海上保安庁の海図や国土地理院の地図に明示する。所有者がいない島を国有財産台帳に登録する作業も進める。尖閣諸島周辺で挑発を繰り返す中国を念頭に、日本の領土であることを明確にする。

今回、命名したのは22都道府県の離島で、内訳は小笠原諸島のある東京都が39、鹿児島県31、北海道15、島根県14、沖縄県11など。政府の総合海洋政策本部(本部長・安倍晋三首相)のホームページに掲載した。

名称が決まった158の離島(総合海洋政策本部のホームページより)

名称が決まった158の離島(総合海洋政策本部のホームページより)

尖閣諸島では新たに5つの島に名前をつけた。久場島周辺の3島を「東小島」「西北西小島」「南東小島」、南小島周辺の2島を「南東小島」「南西小島」とした。

国境周辺にある離島の保全などを検討する政府の有識者懇談会は6月、名前がない無人島への命名などを盛り込んだ提言をまとめた。政府は地元住民の聞きとり調査などを基に命名。中には「ヘソイシ」(青森県)、「ソビエト」(和歌山県)、「坊主」(鳥取県)、「茶釜」(兵庫県)などユニークな名前もある。

政府が作業を急ぐ背景には、海洋進出を進める中国の動きがある。日本政府が2012年に尖閣諸島を国有化したことに中国は反発し、周辺海域で挑発行為を繰り返している。中国人らが日本の離島の土地を購入する動きもあり、政府内では懸念が強まっていた。

政府は昨年末にまとめた新たな防衛大綱で、島しょ防衛の強化を明記した。民主党政権では排他的経済水域(EEZ)の基点となる49の島に命名した。今回はさらに対象を広げることによって、適正な領海管理を徹底していく考えだ。

離島に名称をつけること自体は日本の実効支配の強化に直接つながるわけではない。しかし国内外に日本の領土であると明確に主張する材料になる。菅義偉官房長官は1日の記者会見で「全体として(領海の)線引きの中で名称を付与する方針をずっと以前より考えていた」と説明した。

▼領海 沿岸国の海岸線から12カイリ(約22キロ)の範囲。沿岸国の主権が水面の上空や水中にも及ぶ。沿岸国が漁業や資源開発などの権利を持つ排他的経済水域(EEZ)は海岸線から200カイリ(約370キロ)の範囲で、沿岸国には経済活動に関する管轄権が認められている。いずれも国連海洋法条約が定める。
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