2018年10月18日(木)

KDDIが格安スマホ会社 小売り通じて提供

2014/8/29付
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KDDI(au)は29日、格安スマートフォン(スマホ)事業に参入すると発表した。KDDI本体から仕入れた回線を活用した割安なサービスを売る新会社を設立し、小売企業などを通じて年内に提供を始める。今春以降、格安スマホの普及に弾みがついていることに対応する。消費者の選択肢が広がり、価格低下の効果も見込めそうだ。

回線を自社で持たずに通信サービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)を子会社として設立した。新会社のKDDIバリューイネイブラー(東京・千代田)の資本金は1億円。約30人で業務を始めた。通信大手が格安スマホの提供を狙ってMVNOを設立するのは初めてとなる。

新会社はKDDIの回線を利用し、データ通信の容量を減らしたり、通信速度を制限したりして価格を抑える格安サービスを開発する。格安スマホ販売への参入を目指す小売業や不動産業などにこうしたサービスを提供するほか、端末の調達や顧客対応サービスなども引き受ける。

新会社は通信事業に関するノウハウ全般を提供する。提携した企業は少ない初期投資でサービスを始められるため、格安スマホ販売に参入する企業は広がりそうだ。KDDIは独自ブランドによる格安スマホの直接販売も検討する。

イオンやビックカメラのように格安スマホ販売に参入している小売企業の多くは、日本通信などの独立系MVNOと提携してサービスを提供している。独立系MVNOの大半はNTTドコモから回線を調達しており、KDDIの回線を使っている格安スマホ会社は現在、関西電力系のケイ・オプティコムだけ。KDDIは新会社を設立することで格安スマホ向けの回線提供を増やし、手数料収入を拡大する。

欧米では通信大手が傘下のMVNOを通じて、若者や移民など特定の顧客層に焦点を絞ったサービスを提供する事例が目立つ。ソフトバンク傘下の米スプリントも「ヴァージンモバイルUSA」などを展開する。国内で格安スマホの普及率は約1%だが、インターネットイニシアティブ(IIJ)の契約数が1年間で2.2倍に増加するなど、普及が進んでいる。

 ▼MVNO 「モバイル・バーチャル・ネットワーク・オペレーター」の略で、既存の携帯電話会社が持つ回線容量の一部を借り受け、独自の料金体系で通信や通話サービスを提供する会社。大規模な通信設備を自前で持つ必要がないため異業種や資金力の弱いベンチャーでも参入しやすい。
 利用者は電話番号や契約者情報などを登録したICカード「SIMカード」をMVNOから受け取り、自身の持つスマホなどに差し込んで使う。最近は大手小売りなどが端末とSIMカードをセットで売り始めたため、手間がかかりにくくなり、利用者が広がっている。総務省も携帯市場の競争促進策として普及を後押ししている。

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