2019年3月24日(日)

エボラ熱封じへ新薬・ワクチン準備 動物実験や治験
米・英・加の公衆衛生当局など

2014/8/30付
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西アフリカで猛威をふるう感染症、エボラ出血熱を封じ込めるための新薬やワクチンの準備が進み始めた。カナダ公衆衛生庁などはエボラ熱に感染したサルに新薬を投与し、効果を確認した。米国立衛生研究所(NIH)は英製薬大手グラクソ・スミスクラインと共同開発したワクチンについて、初のヒトでの臨床試験(治験)を来週から始める。

カナダ公衆衛生庁は新薬の効果を動物実験で確認

カナダ公衆衛生庁は新薬の効果を動物実験で確認

カナダ公衆衛生庁と米テキサス大などの研究グループは29日、米国のベンチャー企業が開発した新薬「ZMapp」の治療効果を英科学誌ネイチャー(電子版)で発表した。エボラウイルスに感染した18頭のアカゲザルに対し、感染後5日以内に新薬を投与したところ全頭の症状が回復した。投与しなかった3頭は8日以内に死亡したという。

今回の動物実験で使ったエボラウイルスは西アフリカで猛威をふるうウイルス株とは別種だが、研究グループは同様の治療効果が期待できるとみている。

ZMappは未承認薬だが、西アフリカのリベリアで感染した米国人医師らに投与され、順調に回復した。ただ同じ薬の投与を受けたリベリア人医師は死亡するなど、効果には差が出ている。

一方、NIHは開発中のワクチンで初の臨床試験を始める。来週から米国の施設で20人の健康な成人に投与し、安全性を確認する。英国や西アフリカのマリ、ガンビアでも試験を予定している。今秋には別のカナダ製薬企業のワクチンの臨床試験も計画している。

通常の薬やワクチンの開発では、動物実験後にヒトでの安全性や効果を確認したうえで当局が認可する。世界保健機関(WHO)はエボラ熱の爆発的な感染実態を踏まえ、動物実験段階でも利用を認める方針だ。

今回のエボラ熱の流行では西アフリカで3千人以上が感染、1500人以上が死亡した。WHOは2万人以上の感染も想定している。AP通信によると、西アフリカ・セネガルの保健相は29日、ギニアから入国した若い男性がエボラ熱に感染していたことが確認されたと明らかにした。感染の確認は西アフリカで5カ国目となる。

(ワシントン=川合智之)

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