新幹線VS.航空 北陸の陣 15年春開業、東京―金沢2時間半

2014/8/28付
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金沢駅のホームに入線した北陸新幹線の営業運転用車両「W7系」

金沢駅のホームに入線した北陸新幹線の営業運転用車両「W7系」

東日本旅客鉄道(JR東日本)と西日本旅客鉄道(JR西日本)は27日、来年3月14日に北陸新幹線を開業すると発表した。東京―金沢などの移動時間を1時間以上短縮する。首都圏から北陸地方には航空機を使った移動が多かったが、開業で人の流れは大きく変わる。北陸地方はアクセスの良い関西経済圏との結びつきが深い。しかし関東から足を運ぶのが容易になることで、経済圏の構図が変わる可能性もある。

北陸新幹線は1997年に運行を始めた東京―長野を金沢まで延伸して開業する。東京から上越新幹線で越後湯沢に向かい、そこから特急「はくたか」を利用して金沢を目指すと約3時間50分かかるが、これが2時間28分に短縮される。東京―富山は約3時間12分から2時間8分になる。「かがやき」は1日10往復、停車駅の多い「はくたか」は14往復、富山―金沢間の「つるぎ」は18往復運行する。

■シェア8割に

開業に伴い「はくたか」(越後湯沢―金沢・福井・和倉温泉)など7つの特急・快速列車が廃止になる。一方、特急「しらゆき」(新潟―上越妙高)など5つの特急・快速列車を新たに運行し、廃止路線を補う。

時間が短くなることでJRと航空会社と激しい顧客獲得競争が繰り広げられそうだ。東京―金沢のシェアは航空機が64%を占めるが、JR東日本の冨田哲郎社長は記者会見で「新幹線が8割になる」との見方を示した。

上越新幹線の開業で航空会社の羽田―新潟線、東北新幹線で羽田―仙台線がそれぞれ廃止になった。北陸新幹線の開業で羽田―小松線、羽田―富山線などが縮小を迫られる可能性がある。迎え撃つ航空会社は羽田空港の国際線発着枠の拡大で羽田と海外との乗り継ぎが便利になったことを訴求し、北陸地方から海外に向かう人や訪日外国人の取り込みを進める。全日本空輸は「今後出てくる北陸新幹線の運行ダイヤを精査し、対策を検討する」としている。

国土交通省の2010年の調査によると、富山・石川両県と関西2府1県(大阪・京都・兵庫)を往来した人の数は627万人。首都圏の1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)との行き来に比べて約15%多い。しかし東京―金沢の開業を機に、関西と交流が深かった北陸経済圏が、首都圏経済圏に組み込まれる可能性もある。

■首都圏に進学も

YKKグループは新幹線の開業までに、首都圏に勤務する230人を発祥の地である富山県黒部市に異動させる。YKKの吉田忠裕会長は「新幹線ができれば富山と首都圏は日帰り圏内になる」と話す。

北陸の学生は大阪や京都の大学に進学するケースが多かった。今後は「同程度の偏差値であれば、全国的な知名度がある首都圏の大学を選ぶことが増えるだろう」(関西の塾関係者)。

北陸新幹線と品川―名古屋で27年に先行開業する予定のリニア中央新幹線で関西圏の地盤沈下が進む可能性もある。JR西日本の真鍋精志社長は27日の金沢市内での会見で「北陸と関西のビジネスや観光のつながりをいかにつくるかを考えたい」と話した。

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