働き方改革に2800億円 厚労省18年度概算要求、人への投資競う
2018年度予算の概算要求で社会人教育など「人への投資」に向けた予算要求が相次いでいる。厚生労働省は働き方改革の支援策として特別会計を含め約2800億円を計上。文部科学省は社会人の学び直しに取り組む大学や専修学校を支援する。生産性向上など政権が掲げるほかの重点施策も目白押しで、予算のぶんどり合戦の様相だ。
概算要求の締め切りは8月末で、これに先立ち厚労省など複数の省庁が25日開いた自民党の関係部会で概算要求案を示した。要求の総額は101兆円前後に達する見通しだ。
政府は正社員と非正規の不合理な待遇差をなくす「同一労働同一賃金」制度や残業時間の上限規制を19年度にも導入する方針だ。厚労省は非正規の処遇改善に関する助成金を前年度比で3割増にした。
企業の相談体制なども強化する。社会保険労務士や中小企業診断士らが労務管理などの相談に応じる「働き方改革推進支援センター」(仮称)を都道府県別に設置し、中小企業への支援を強化する。
文科省は社会人教育や職業教育の充実に取り組む大学への支援に44億円を要求する。低所得者を対象に国立大学や私立大学の授業料を減免する制度の充実も求める。
経済産業省は人材育成の関連予算として99億円を盛り込む。IT(情報技術)や外部人材を活用し、学校など教育現場の生産性向上を促す。学校の補習でタブレット端末を使い、生徒のレベルに応じて個別に受けられるオンライン教育などを想定する。