北朝鮮で地震観測、情報錯綜 韓国「自然地震と分析」
【ソウル=峯岸博】韓国気象庁によると、北朝鮮北東部の咸鏡北道吉州郡の核実験場の近くで23日午後5時29分(日本時間同)、マグニチュード3.0の地震を観測した。地震の原因が核実験なら3日以来で7回目となるが、韓国は地震波の特徴などから「自然地震と分析している」とした。
韓国気象庁関係者は、自然地震と推定した理由について(1)自然地震で生じる地震波の波形の特徴が明確に観察された(2)人工地震特有の音波が観測できなかった(3)6回目の核実験の場所から南東に約20キロ離れている――などと説明した。
韓国大統領府関係者も「核実験など人工的なものではなく、自然地震とみられる」と語った。
中国地震局は同日、北朝鮮の核実験場の近くで地震が発生し、マグニチュード3.4、震源の深さ0キロで、爆発の疑いがあると報じた。地震の原因をめぐり情報は錯綜(さくそう)している。
米地質調査所(USGS)は北朝鮮での地震について、マグニチュード3.5、震源の深さを5.0キロと発表した。ロシア極東沿海地方の気象当局者は、地震の観測後も空気中の放射線量に変化はみられないとした。
包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)準備委員会のゼルボ事務局長はツイッターで、23日に北朝鮮で2つの地震活動を検知したとし、いずれも「人工的でなさそう」と述べた。
北朝鮮による過去の核実験では、いずれもマグネチュード4以上の地震が観測されている。
北朝鮮は3日、吉州郡豊渓里の核実験場で大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水素爆弾の実験に成功したと発表した。この6回目の核実験は地震の規模を示すマグネチュードが6.1と過去最大で、実験場付近の地盤が緩んでいる可能性を指摘する声がある。6回目の核実験の直後にも小規模な揺れが観測され、地盤崩落が原因との見方が出ていた。ゼルボ氏は、その際の揺れに今回が似ていると指摘した。