2018年10月22日(月)

東京・日本橋、首都高を地下に 国交省と都が協議

2017/7/21 19:57
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国土交通省と東京都は21日、東京・日本橋の真上を走る首都高速道路を地下に移すため、具体策の検討を始めると発表した。地元の中央区も協力を申し入れており、行政が足並みをそろえて計画を推進する。2020年の東京五輪・パラリンピック後に工事を始め、周辺の再開発事業とあわせた地域活性化を図る。

東京都中央区の日本橋の上を通る首都高速道路の高架橋

東京都中央区の日本橋の上を通る首都高速道路の高架橋

石井啓一国交相は同日の記者会見で「日本橋は日本の道の原点。すっきりした空が見えるよう生まれ変わる」と話し、関係者間の協議を本格化させる考えを示した。

日本橋は長さ49メートルで、国の重要文化財に指定されている。五街道の起点だった日本橋は江戸文化の象徴でもあり、地元の住民も首都高の地下化を長く要望してきた経緯がある。1964年の東京五輪開催時の都市開発に伴い6メートルほど上に首都高が走り始め、橋からは上空の景観が遮られた状態となっている。

日本橋の景観改善は、当時首相の小泉純一郎氏が2005年末に提言。奥田碩経団連会長(当時)らによる「日本橋川に空を取り戻す会」が発足し、「街、川、道を一体的に整備する。関係主体の協力体制が必要になる」と訴えた経緯がある。国交省の有識者会議も12年に「首都高は地下化を含めた再生を目指す」との提言書を出していた。

中央区が7月中旬、国交省と都に対し、再開発事業による地元の合意形成を担うと約束。地下化へ前進することになった。首都高を管轄する国交省が都心環状線の構造や対象区間を詰め、都が再開発事業の青写真を描く。地下化は竹橋から江戸橋の区間を軸に議論を進め、事業費は5千億円規模になるとみられる。今後、国や都、首都高などで負担割合を決める。

首都高の地下化とともに再開発が始動し、日本橋は都心の新しい顔に生まれ変わる。東京都の小池百合子知事は同日の会見で「街づくりと連携して地下化する。100年後にも誇れる東京の姿を未来に残していきたい」と強調した。

菅義偉官房長官も同日の会見で「日本橋は日本の中心部で歴史がある。地下化でまち全体に広がりが出て活性化される」と評価。

中央区の矢田美英区長は「首都高の移設撤去はかねて地元の強い悲願。大きな一歩を踏み出して大変喜ばしい」とのコメントを出した。

日本橋周辺では昨年、3地区が政府の国家戦略特区の事業として提案され、今年度にも認定される見通しとなっている。現在のオフィス街では、三井不動産、野村不動産、東京建物などの民間主導で再開発が進む方向だ。特区認定を受ければ、都市計画決定の手続きは迅速に処理できる。

このほか、日本橋の近くでは三菱地所が390メートルの日本一高いオフィスビルの建設を計画している。小池知事は国際金融都市構想の実現を目指しており、大手町から日本橋にわたる一帯を国際金融の中核エリアに育てたい考え。金融とIT(情報技術)が融合したフィンテックに関するベンチャー企業などの集積が進むとみられる。

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