2018年6月18日(月)

ECB総裁、緩和縮小「秋に議論」 年明け実施視野

2017/7/20 23:14 (2017/7/21 0:26更新)
保存
共有
印刷
その他

 【フランクフルト=石川潤】欧州中央銀行(ECB)は今秋、量的緩和政策の縮小を議論する。ECBのドラギ総裁は20日の理事会後の記者会見で「(声明文の変更などの)議論は秋に行う」と明言した。経済指標が出そろう秋までに物価の力強さを見極める。ただ「我々には粘り強さと忍耐が必要だ」とも述べ、緩和縮小のペースは緩やかになるとみられる。

20日、記者会見するドラギECB総裁(フランクフルト)=ロイター

 ユーロ圏経済は16四半期連続のプラス成長で、8月初めに公表される4~6月期も潜在成長率を上回る年率2%台の回復ペースを維持するとの見方が多い。消費者物価の上昇率も1%台まで高まり、ドラギ総裁は6月の講演で「デフレの力はインフレの力に置き換わった」と述べていた。

 ECBの金融緩和策は(1)マイナス金利政策(2)量的緩和政策(3)今後も緩和を続けるという約束(フォワード・ガイダンス)――の3本柱だ。量的緩和政策では今年12月末まで月600億ユーロ(7.8兆円)のペースで国債などの資産を購入することが決まっている。

 経済・物価が順調に回復するなかで大量の資産を買い続ければ、景気の過熱や市場に出回る国債の枯渇を招きかねないため、ECBは次回9月の理事会から来年1月以降の資産購入額の縮小を本格的に議論する。ただ、ECBは緩和縮小を急いで景気が腰折れする事態は避けたい考えだ。

 「かなりの程度の金融緩和が必要だ」。ドラギ総裁は会見で、今後も金融緩和の継続が必要との考えを示した。デフレのリスクは消えたといっても物価上昇率は目標の2%近くに届かず、依然として勢いを欠くためだ。

 20日の理事会では現在の緩和政策の維持を決定。声明文では、量的緩和政策は今年12月までか、必要であればそれ以上続けると約束し、経済・物価の見通しに変化があれば緩和の拡大を辞さない姿勢も改めて示した。

 量的緩和の終了をはやしたてる市場参加者に、そう簡単ではないとクギを刺した面もある。

 もう一つの緩和の柱であるマイナス金利政策は当面継続するとの見方が多い。量的緩和政策の縮小の進展を見極めつつ、時間をかけて利上げの機会をうかがう見通しだ。

 FRBはすでに量的緩和政策を終了し、断続的に利上げを進めている。今後はこれまでの買い入れで膨らんだ資産の圧縮を進めていく方針だ。カナダ中央銀行も今月、7年ぶりの利上げに踏み切り、緩和縮小が大きな流れとなりつつある。

 20日の欧州金融市場では、ドラギ総裁が記者会見で最近のユーロ高に懸念を示さなかったことを受け、ユーロが主要通貨に対して一段高となった。対ドルでは一時1ユーロ=1.16ドル台後半に上昇し、1年11カ月ぶりの高値をつけた。債券市場ではユーロ圏の長期金利の指標となるドイツ10年物国債利回りが一時0.5%台後半に上昇(価格は下落)した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報