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米IBM、とまらぬ減収 20四半期連続、構造改革に時間

【ニューヨーク=稲井創一】米IBMが18日発表した2017年1~3月期決算で、純利益は前年同期比13%減の17億5000万ドル(約1900億円)となった。人工知能(AI)やクラウドなど成長分野は堅調に推移したが、メインフレーム(汎用機)など既存のIT(情報技術)ビジネスの減少に歯止めがかからない。売上高は20四半期連続減収と、構造改革に時間がかかっている。

「クラウドやコグニティブ・ソリューション(AI関連)が成長分野の好業績に寄与した」。18日の発表文でバージニア・ロメッティ最高経営責任者(CEO)は注力する新規分野の好調ぶりを強調した。重点分野と位置づけるビッグデータやクラウドといった5分野の合計売上高は78億ドルと13%伸びた。AI機能を持つ「ワトソン」がセキュリティーやデータ解析などのビジネスに弾みをつけている。

しかし、1~3月期の売上高は全体で2.8%減の181億5500万ドル(約1兆9500億円)にとどまった。クラウドの普及で顧客が安価にITサービスを利用できるようになり、IBMの高価なサーバーやソフトなどを購入する必要性が薄れている。IBMが得意としていたメインフレームなどハード機器分野は2桁の減収が続き、税前損益では赤字だ。

ハードに付随してコンサルティングなどのサービスを展開する従来型ビジネスの減少は想定以上のペースで進んでいる。「ワトソン」など急拡大しているビジネスでは補えていない。

ロメッティCEOは新規分野では外部から招いた人材を登用するなどしてスピード感のある経営をさらに進める考え。過去5年間、一貫して減収傾向を続けているロメッティCEOは正念場を迎えている。

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