オバマケア代替法案 再び頓挫 米上院、早期採決断念

2017/7/18 23:59
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領が公約に掲げる医療保険制度改革法(オバマケア)見直しを巡り、米上院の代替法案が再び頓挫した。見直し法案に反対する与党・共和党議員が増え、同党指導部が17日に早期採決を断念。夏季休会前の法案成立は絶望的になった。大型減税など他の重要政策への影響も避けられず、発足から半年を迎えるトランプ政権の迷走が鮮明になった。

米上院(定数100)は共和党が52議席を占めるが、17日までに同党の4議員が法案への反対を表明。野党・民主党の協力も得られず、上院共和トップのマコネル院内総務は声明で「残念だがオバマケア代替法案は成功しそうにない」と、早期採決を事実上断念した。

上院がオバマケア代替法案の採決を断念するのは2回目。最初の法案は6月に提示したが、低中所得層の負担増を嫌う一部の共和党議員が反発。上院指導部が法案を修正し、8月の夏季休会前の成立を目指していた。

トランプ氏は18日、ツイッターで「オバマケアをやめ、力を合わせて素晴らしい保険制度をつくる」と重ねて表明した。

一方、マコネル氏はまずオバマケアの廃止法案を数日内に採決し、2年程度かけて代替制度を検討しようと提案している。ただ医療保険の代替制度がないままオバマケアを廃止すれば、多数の無保険者が出るため、米社会の混乱は避けられない。民主党だけでなく共和党内にも懸念の声があり、米議会の審議は出口が見えなくなった。

オバマケア代替法案の成立が遅れれば、税制改革やインフラ投資といったトランプ政権の経済政策全体に影響がおよぶ。

トランプ政権は発足100日が近づいた4月末に連邦法人税率を35%から15%に下げる約30年ぶりの大型減税を提案した。米国では税財政の立案・決定権は議会にあり、政権の提案をもとに上下両院が独自の税制改革案をまとめる必要がある。

米政権と上下両院はオバマケアの見直しで連邦政府の支出を減らし、大型減税の財源の一部とする考えだった。代替法案が漂流すれば減税余地が狭まり、税率下げも小幅となる可能性が高まる。10年で1兆ドルと公約したインフラ投資の財源確保も難しくなりそうだ。

米上院は審議日程を2週間延長し、8月中旬に夏季休会に入る予定だ。米連邦政府は債務残高が3月に法定上限に達し、議会予算局の試算では10月には政府資金が枯渇する。ムニューシン財務長官は夏季休会前に債務上限を引き上げるよう議会に求めてきたが、この議論も遅れている。

トランプ政権は20日で発足半年となるが、金融市場が期待した減税やインフラ投資といった経済政策は進展がない。夏季休会後の秋の審議では2018会計年度(17年10月~18年9月)の予算審議に加え、債務上限の引き上げなど難作業が待ち構える。与野党の対立が避けられない税制改革は年内の成立が疑問視され始めており、政策期待は一段としぼみかねない。

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