景気回復、踊り場 中国減速がリスク
GDP実質年1.6%減、4~6月

2015/8/18付
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 政府が17日に発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、輸出と消費が振るわず、3四半期ぶりのマイナス成長となった。落ち込みは一時的で7~9月期以降はプラス成長に戻るというのが官民に共通する見方だが、中国経済の減速や食品値上げによる消費者心理の悪化は景気回復シナリオの逆風になりかねない。

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 内閣府がまとめた4~6月期のGDP速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.4%減、年率換算で1.6%減となった。

■「一時的な要素」

 ただ政府も民間調査機関もマイナス成長は一時的で景気は踊り場にあるとみている。甘利明経済財政・再生相は17日の記者会見で、天候不順によるエアコン販売減少や増税による軽自動車の販売減などを踏まえ、「一時的な要素はかなり大きい。回復の見込みはかなりある」と分析した。

 民間調査機関10社がまとめた予測を集計したところ、7~9月期の実質経済成長率の見通しは平均で年率1.9%増。2期連続のマイナス成長を予測するところはなく、景気後退局面に入るとの見方は出ていない。野村証券の木下智夫氏は「輸出、個人消費、設備投資の3つのエンジンで景気は回復軌道に戻る」とみる。

 個人消費は猛暑で飲料などの季節商品の売れ行きが伸びるほか、3月末に交付決定されたプレミアム付き商品券の9割が9月末までに販売されることも下支えになる。設備投資は4~6月期に横ばい圏にとどまったが、日銀や日本政策投資銀行の調査では強気の計画が相次いでいる。

 ただ下振れリスクは残る。海外景気の減速を受けた4~6月期の輸出は、想定以上の落ち込みだった。中国や東南アジア向けのスマートフォン用部品や自動車が落ち込んだほか、米国向けの生産機械も振るわなかった。

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 バークレイズ証券の森田京平氏は「米国経済の回復を受けて、輸出は7~9月期は増加する」と予測するが、中国などアジア向け輸出の先行きは不透明感が強い。

 中国の人民元切り下げは中国景気の回復に寄与する可能性がある一方で、日本の貿易にとっては安価な中国製品の輸入が増え、輸出が減るリスクがある。

■元安も懸念材料

 元安で中国人の購買力が落ちれば、訪日外国人消費もペースダウンしかねない。訪日客消費は4~6月期に実質で年率換算2.5兆円と過去最高になっただけに、冷え込むようなことがあれば地域経済の打撃になる。

 資源国や新興国の景気も懸念材料だ。中国の需要減少で原油など商品価格は下落が続いている。米国の利上げで投資マネーの引き揚げが進めば、新興国経済は落ち込み、日本の輸出に響くリスクが増す。

 国内では家計の節約志向が強まっているのが懸念材料だ。円安で食用油や調味料など生活必需品の値段が上がり、大企業を中心に春に賃上げがあったにもかかわらず、家計が貯蓄志向を強める兆しが出ている。消費者心理が低下すれば消費の下押し要因になる。

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