2019年8月24日(土)

(北朝鮮、6回目の核実験)北朝鮮ミサイル 実戦想定 完成度誇示、米を威嚇

2017/9/16 23:16
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【ソウル=鈴木壮太郎】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は15日朝に発射した中距離弾道ミサイル「火星12」について「戦力化が実現した」「完璧だった」と評価し、実戦配備への準備を指示した。朝鮮中央通信が16日伝えた。今回は実戦さながらのやり方で発射。米領グアムも攻撃できるミサイルの完成度を誇示し、米国を強くけん制した。日米韓は警戒を強めている。

朝鮮中央テレビは16日、火星12を発射する映像を公開した。火星12の発射は5月14日、8月29日に次いで3回目だが、今回の最大の特徴は、車載の発射台からそのまま発射したことだ。過去2回はミサイルを車両から降ろし、地上に立ててから発射していた。

「実戦での使用を想定した発射訓練だ」。北韓大学院大学の金東葉(キム・ドンヨプ)教授はこう分析した。前回2回の発射は、ミサイル性能を確認した。今回は命令を受けて準備し、発射するまでの一連の運用を確認し、習熟する訓練だとの見立てだ。車両で移動後すぐに発射すれば探知されにくく、奇襲性を高めることができる。

さらに金教授は「戦力化が実現した」という正恩氏の発言について「火星12を実戦配備する意味だ」と解釈。新型の地対地中長距離弾道ミサイル「北極星2」の2度目の発射をした5月、正恩氏は「早く大量生産し、人民軍戦略軍に配備しなければならない」と指示した。今回はそこまで具体的ではないが、同じ趣旨の指示だと読んだ。軍事アナリストの小都元氏も「実戦配備の可能性が高く、早期に体制を作っているようだ」とみる。

小都氏は「技術的にさほど変わらない大陸間弾道ミサイル(ICBM)も近いうちに発射実験し、実戦配備できる状態にする可能性がある」とも警戒した。

正恩氏は「すべての訓練を実戦的なものとし、各種の核弾頭を実戦配備するのに合わせ、手順をしっかりと定めなければならない」と語った。1段式の火星12を2段式に改良し、米本土を射程に収めるICBM「火星14」の実戦配備を急ぐ意思を示したと専門家はみる。火星14は7月に2回発射。発射角度を通常より高くして飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で日本海に着弾した。

一方、火星14の完成には実戦と同じ通常軌道で発射し、大気圏への再突入時の熱と圧力に弾頭部が耐えられるかなどを検証する必要がある。専門家の間では「実戦配備には複数回の発射が必要」との見立てが多い。元陸将の山口昇氏(国際大教授)は、火星12を含め核弾頭の小型軽量化や核分裂と核融合を起こす技術の確立に懐疑的だ。

3日の核実験では核弾頭の開発も相当な進展があったようだ。正恩氏は核開発が「ほぼ終着点にある」と自信をみせる。一方、トランプ米大統領は15日「失礼極まりない行為」と北朝鮮を非難。「(軍事的な)選択肢は有効で圧倒的だ」と語り、軍事面でも日韓と連携しながら挑発行為を抑え込む構えだ。

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