シャープ、パソコン再参入を検討 戴社長が言及
シャープの戴正呉社長は15日、パソコンなどスマートフォン以外のIT(情報技術)機器事業への再参入を検討していると明らかにした。戴社長は「鴻海グループとのシナジーで一番強いのがIT機器だ」と発言。親会社の台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が手がけるパソコンなどを基にした商品をシャープブランドで販売することを視野に再参入を目指すようだ。
同日、堺市の本社で開かれたシャープOB向けの会合に戴社長がテレビ会議システムで参加して方針を語った。シャープは「メビウス」のブランドでノート型パソコンなどを展開していたが、採算悪化を受け2010年に撤退していた。戴社長は「鴻海とのシナジーで撤退したIT機器にまた参入したい」とし、再参入への意欲を示した。
また戴社長は「これまで商品のラインアップが足りなかった」と述べ、今後は商品群の拡充で売り上げ増を目指す考え。17年度は国内での商品点数を4K液晶テレビで16年度から45%増の約20、冷蔵庫では30%増の約25まで増やすなど、家電や複合機など幅広い事業分野で積極的に新商品を投入していく方針だ。
16年度業績についても戴社長は「営業利益や純利益の予想を達成できたと思う」と語り、3期ぶりの営業黒字化など、業績回復が順調に進んでいるとの認識を示した。