2019年6月26日(水)

ユーロ圏ゼロ成長、下振れ鮮明 ロシア問題が重荷
デフレにも現実味

2014/8/14付
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【ブリュッセル=御調昌邦】ユーロ圏の景気の下振れが鮮明だ。4~6月期は実質ゼロ成長に低迷し、これまで一人勝ちともいわれたドイツがマイナス成長に沈んだ。ロシアとの関係悪化やデフレ懸念、低調な銀行融資など課題は山積している。

ドイツのガブリエル副首相兼経済・エネルギー相は14日、「(ロシア問題など)外部環境が悪化するリスクが増したことは疑いない」と認めながらも「独経済は今年後半にプラス成長に復帰するだろう」と予測した。

一方でドイツの調査会社、欧州経済研究センター(ZEW)は生産が弱くなっている点に加え、一部業界で投資行動がしぼみ始めたと指摘する。ZEWの独景況感指数は8月に大幅に悪化した。ロシアやウクライナの緊張が高まるにつれ、輸出をてがける企業が弱気になっているようだ。

ユーロ圏では物価の低迷と景気の冷え込みが同時に進むデフレの懸念も強まる。7月のユーロ圏の消費者物価は前年同月比0.4%上昇にとどまり、4年9カ月ぶりの小幅となった。スペインやポルトガルなど4カ国が前年同月比で下落した。日本が長年苦しんだデフレ局面が南欧を中心に現実味を帯びている。

欧州の各国別のGDPと消費者物価
GDP
(4~6月期)
消費者物価
(7月)
ドイツ▲0.20.8
フランス0.00.6
イタリア▲0.20.0
スペイン0.6▲0.4
  ユーロ圏  0.00.4
英国0.81.9
  EU  0.20.6

(注)GDPは前期比実質、消費者物価は前年同月比。▲はマイナス。英国の消費者物価は6月

対応策の1つとして、欧州中央銀行(ECB)に国債などを大量に買い入れる量的緩和策への期待が広がる。英キャピタル・エコノミクスのロインズ氏は「ユーロ圏の景気は南欧の債務問題やデフレ懸念に対処するには弱すぎる。ユーロ安を促して景気を再浮揚させるためには量的緩和策が必要」と訴える。

現在はEU議長国でもあるイタリアのレンツィ首相は成長を促しやすくするため、EUの財政規律を柔軟に運用するよう求める。しかし規律を重くみるドイツは慎重だ。域内の足並みが乱れ、景気の刺激策を機動的に打てない恐れもある。

経営危機が表面化したポルトガルの大手銀行、バンコ・エスピリト・サントは同国の中央銀行が救済を表明した。ECBは他の銀行の資産査定を続けており、南欧を中心に銀行が財務の健全化を迫られれば、貸し出しの余力は細りかねない。

著名投資家のソロス氏はEUが懸案に取り組まなければ「今後25年の長期停滞を避けられない」と警鐘を鳴らす。

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