自動運転、システムが主体 アウディが世界初の市販車
【バルセロナ=深尾幸生】独アウディは11日、世界で初めて人の代わりにクルマが運転を担う自動運転車「A8」を2017年秋に発売すると発表した。既存の自動運転車は運転手が常にハンドルを握る必要があるが、A8はハンドルから手を離して走行中にテレビ視聴などもできる。高いレベルの自動運転車を巡っては米グーグルも開発を急ぐなど、世界的に競争が激しくなっている。

A8は世界で初めて「レベル3」と呼ばれる高度な技術を搭載し、18年から段階的に自動運転機能を使えるようにする。全ての操作をシステムが実施し、運転手は運転以外の作業をすることができる。システムが介入を求めたときに初めて運転手はハンドルを握る。
まずドイツで今秋に発売し、世界に広げる。価格は9万600ユーロ(約1200万円)からの見込み。
当面は自動運転機能を使える条件は限られる。中央分離帯のある高速道路を時速60キロメートル以下で走行しているときだけだ。法律で明確に認められているのはドイツだけで、通勤時といったやや渋滞している高速道路での自動運転が想定されている。この条件を外れるとシステムは運転手に手動での運転を促す。