2018年7月22日(日)

VW、タタと提携 インド事業てこ入れ

2017/3/11 0:30
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 【フランクフルト=加藤貴行、ムンバイ=堀田隆文】独フォルクスワーゲン(VW)とインドのタタ自動車は10日、インドでの自動車の共同開発で提携すると発表した。VWは2016年の新車販売台数でトヨタ自動車を抜き、初の首位に立ったが、欧州と中国に偏重した収益構造が課題となっている。タタ自も先端技術開発などの後ろ盾が必要だった。VWは提携が失敗に終わったスズキからタタ自にパートナーを切り替えて、インド事業のテコ入れを図る。

 VWのマティアス・ミュラー社長、タタ自のギュンター・ブチェック最高経営責任者(CEO)らが戦略的提携の覚書を交わした。両社の自動車開発・生産のノウハウを組み合わせて自動車部品を共同開発するほか、設計面の協力も検討する。

 具体的な提携内容は、VWグループで大衆車を手がけるシュコダ(チェコ)とタタ自が中心となってまとめる。シュコダはVWグループが進める車台や複合部品の共通化戦略「MQB」にいち早く取り組んできた。タタ自は最新の設計・生産技術でVWの協力が得られれば、慢性的な赤字が続くインド国内のタタ自ブランドの乗用車部門をテコ入れできる。

 VWが提携に踏み切ったキーワードは「インド」と「小型車」だ。インドの16年の新車販売台数(乗用車と商用車の合計)は約367万台。乗用車販売ではドイツとほぼ同じ規模だ。VWは16年に世界で1030万台を販売したが、欧州と中国がそれぞれ4割強を占めており、他地域のシェアの低さが課題だった。

 特にインドにおけるシェアは2%程度にとどまる。このためVWは09年、スズキと提携してインド市場の開拓を狙ったが、15年に何の成果もないまま提携を解消した。タタ自との提携はその再挑戦となる。タタ自はインド乗用車で4位、商用車では首位。乗用車はスズキ子会社のマルチ・スズキや韓国・現代自動車に押されているが、それでもVWの3倍の販売規模を誇り、規模のメリットは生かせそうだ。

 VWがスズキと提携したもうひとつの理由は、小型車の技術だった。特にVWはスズキがインドで生産していた「Aスター」に目をつけ、小型化や低コスト化の技術を取り込もうとしたが、提携解消で頓挫した。

 そこでVWは独自でアジア市場の入門車となる低価格車を開発してきた。所得水準が上がる前に入門車市場を押さえれば、VW・シュコダなどの大衆車から、アウディやポルシェといった高級車まで手がけるグループの強みを生かせるからだ。ただ、実際にはコストが思うように下がらず、投入は遅れている。

 一方、タタ自は09年に価格10万ルピー台(約17万円)で超低価格車「ナノ」を発売。売れ行きは低迷しているものの、インドで車を安く造るための部品調達網は握っており、VWには魅力的に映る。

 両社は西部マハラシュトラ州に工場を持ち、互いの工場の活用など生産面の協力も期待できる。VWはインド市場に「ポロ」などを投入するが、印国内販売は年5万台程度にとどまる。約8万台をメキシコ向けなどの輸出で稼いでおり、国内販売だけでは印工場の稼働を維持できない状態だ。

 ▼タタ自動車 インド最大財閥タタ・グループ傘下の自動車メーカーで、1945年創業。商用車部門に強みを持ち、インド国内のシェアは首位に立つ。2008年にフォード・モーターから英高級車ブランド、ジャガー・ランドローバー(JLR)を買収し、海外事業を本格化した。09年に超低価格の小型車「ナノ」を発売して話題を呼んだものの、販売は低迷。ナノを含めた乗用車部門の立て直しが課題となっている。

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