(北朝鮮、6回目の核実験)安保理、北朝鮮への石油禁輸で攻防 日米「強力制裁を」

2017/9/5 1:02
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【ニューヨーク=高橋里奈、アモイ=永井央紀】国連安全保障理事会(国連安保理)は4日午前(日本時間同日深夜)、北朝鮮の6回目の核実験を受け、日米韓英仏の5カ国の要請で緊急会合を公開で開いた。日米両国は北朝鮮の封じ込めに「最大限の圧力が必要」と強調。中国とロシアが供給しているとされる石油禁輸を含む新たな追加制裁決議を求めていく方針だ。

緊急会合で米国のヘイリー国連大使は、過去の安保理決議が北朝鮮の暴走を止められなかったとし「取り得る最強の制裁措置が必要だ」と訴えた。具体的な内容には触れなかったが、新制裁決議案を各国に提示のうえ11日の採決を目指したいと語った。

日本の別所浩郎国連大使は「脅威は新たな段階にある」と強調し、北朝鮮の政策を変えるために「さらに強力な制裁決議を迅速に採択しなければならない」と主張した。

一方、中国の劉結一国連大使は核実験を「強く非難する」としながら、「問題は平和的に解決されなければならない」として「対話による解決」を訴えた。ロシアのネベンジャ国連大使は「軍事的な解決はあり得ない」と米国をけん制のうえ、「関係国は即座に対話と交渉に戻るように」と主張した。

安保理は今後、米中両国を中心に新たな対北朝鮮制裁の内容を協議する。最大の焦点は日米がめざす石油の輸出制限だ。韓国の情報として中国の北朝鮮への石油の年間輸出量は50万トン以上とされ、禁輸措置が北朝鮮経済に与える影響は甚大だ。中国やロシアの反発が予想されるものの、日米があえて石油禁輸をめざすのは「仮に中ロが受け入れなくても両国が国際社会から孤立する構図をつくる」(日本政府関係者)狙いがある。

世界各国が北朝鮮を強く非難する中、中ロが制裁強化に二の足を踏めば国際社会から厳しい視線を浴びるのは必至だ。「中ロが北朝鮮をかばうという悪い印象をもたれれば耐えられなくなる」(同)とみて両国が制裁強化に傾くのを期待する。

北朝鮮による繊維製品輸出の禁止や北朝鮮からの出稼ぎ労働者受け入れの規制強化など、外貨収入源の締め付けを図ることも検討する。受け入れ制限は「核・ミサイル開発の資金源を絞る有力な手段になる」(外務省筋)として、各国に協力を呼び掛ける。

中国外務省の耿爽副報道局長は4日の記者会見で、日米が求める石油禁輸について「国連安保理で決めることだ。中国は常任理事国として責任のある建設的な立場で議論に参加する」と述べるにとどめた。北朝鮮との貿易停止を求めた3日のトランプ米大統領の発言に関しては「核問題の解決に苦しい努力をしているのに自らの利益が損なわれるのは断固受け入れられない」と反発した。

安倍晋三首相はロシアの極東ウラジオストクを6日に訪問し、7日にプーチン大統領と直接会談する。北朝鮮問題を巡り、自らプーチン氏に働き掛ける意向だ。対話解決を重視し、融和姿勢を示してきたロシアに対し、北朝鮮への石油の輸出禁止・制限に協力を要請する。

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