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邦人テロの脅威なお 首相、安全確保の徹底指示

後藤さん映像「本人の可能性高い」

【アンマン=佐野彰洋】中東の過激派「イスラム国」を名乗る組織は1月31日午後10時(日本時間1日午前5時)ごろ、日本人人質の後藤健二さん(47)を殺害したとする映像をインターネット上で公開した。日本政府は「本人の可能性が高い」とし、安倍晋三首相は国内外の日本人の安全確保の徹底を指示した。敵意が明確に日本に向けられた今回の人質事件は最悪の展開となり、日本がテロの脅威に引き続き直面せざるを得ない現実を浮き彫りにした。

犯行組織が公開した映像では、ナイフを持った黒い覆面の男がオレンジ色の服を着て座った後藤さんとみられる男性の横に立ち、日本政府と首相へのメッセージを読み上げた。

首相を「安倍」と呼び捨てにしたうえで、日本が「邪悪な有志連合」と同様に「勝ち目のない戦いに加わるという無謀な決断」をしたため後藤さんを殺害すると主張。今後も場所を問わず日本人を殺害すると警告し「日本にとっての悪夢が始まる」と脅迫した。

日本政府では担当者が映像を1日午前5時前後にネット上で確認し、直後に首相や菅義偉官房長官らに伝えた。菅長官は臨時に記者会見し、映像が後藤さん本人かどうかについて「(警察庁の)科学警察研究所(の分析)をはじめ、総合的にみて可能性が高い」と語り、後藤さん本人とみられるとの認識を示した。

菅長官は犯行組織が国内外で日本人を標的にしたテロを継続すると予告したのを受け「国内でテロを未然に防げるよう情報収集力、分析を強化し、海外に渡航・滞在する邦人に迅速に情報提供していく」と警戒を強める考えを表明。テロリストの入国を水際で阻止するため空港など公共交通機関の警備強化が必要だと強調した。

一連の事件を通じて犯行組織との接触はないとし、身代金支払いの交渉も否定した。犯行組織の動きについて「一方的なプロパガンダ(宣伝活動)という色彩があったのは事実だ」との見方を示した。

首相は1日夜、ヨルダンのアブドラ国王と電話し、同国の協力に謝意を示した上で「中東への支援をさらに拡充し、テロとの戦いで責任を果たしていく」と伝えた。

人質事件が表面化したのは1月20日。犯行組織は後藤さんと湯川遥菜さん(42)の殺害を映像で予告し、2億ドル(約236億円)の身代金を72時間以内に支払うよう要求した。

72時間の期限が過ぎた24日には、湯川さんの殺害を表明した上で身代金の要求を撤回。後藤さんの解放と引き換えにヨルダンで収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚を引き渡すよう要求した。

日本時間29日深夜を最終的な「期限」と設定したが、ヨルダン政府はイスラム国が拘束しているヨルダン軍パイロットの生存確認が先だとして応じていなかった。

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