米国株続伸160ドル高、初の2万3000ドル台 IBM株急伸で
【NQNニューヨーク=森田理恵】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比160ドル16セント(0.7%)高の2万3157ドル60セントで終えた。終値で初めて2万3000ドルを上回り、3日続けて最高値を更新した。前日夕発表の四半期決算が市場予想を上回ったIBMが急伸し、1銘柄でダウ平均を約90ドル押し上げた。金利上昇でゴールドマン・サックスなど金融株が買われたのも相場全体の追い風になった。
米企業業績の改善が続くとの見方が相場を押し上げている。市場では「投資家は期待が高かった銘柄には決算後に利益確定売りを出す一方、予想外に良好な業績だった銘柄を買っている。銘柄間で資金循環が続いており、節目を突破しても相場に過熱感は乏しい」(大和証券キャピタル・マーケッツアメリカのシュナイダー恵子氏)との声がある。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げが緩やかにとどまるとの見方も相場を支えた。FRBが午後に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、米経済について「全地区で緩やかに拡大した」と総括しつつ、物価上昇圧力は依然緩やかだったと判断した。業績改善と低金利という株式相場にとって絶妙な組み合わせで、米株式の買い安心感につながったとの指摘があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比0.563ポイント高い6624.220と2日ぶりに最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は3日続けて最高値を更新し、主要3指数が過去最高値を付けた。
業種別では全11業種のうち4業種が上昇した。「金融」「IT(情報技術)」などが上げた。一方、「エネルギー」「電気通信サービス」「一般消費財・サービス」などが下げた。
医療保険大手のアンセムが高い。薬剤給付の管理でドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスと提携すると発表した。CVSも買われた。がん免疫療法で同業と提携すると発表したバイオ製薬のアッヴィも上げた。半導体大手のマイクロン・テクノロジーや金融のモルガン・スタンレーの上げも目立った。
ダウ平均の構成銘柄では保険のトラベラーズやインテルが買われた。
一方、アナリストが投資判断を引き下げた石油のシェブロンが下落。アナリストによる投資判断と目標株価の引き下げが伝わった外食のチポトレ・メキシカン・グリルも売られた。アイルランドの製薬大手アラガンや後発薬大手マイランが大幅に下げた。
ダウ銘柄では製薬のファイザーやゼネラル・エレクトリック(GE)が売られた。
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