米国株、ダウ続伸し63ドル高 5日続けて過去最高値、北朝鮮情勢の警戒後退
【NQNニューヨーク=神能淳志】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7日続伸した。終値は前週末比63ドル01セント(0.3%)高の2万2331ドル35セントと、5日続けて過去最高値を更新した。北朝鮮情勢を巡る過度の警戒が和らいだ。米金利上昇が金融株の買いを促したうえ、良好な業績への期待が高まる個別株に物色が広がったのもダウ平均を押し上げた。
ティラーソン米国務長官は17日放送の米CBS番組で、北朝鮮問題の解決で外交努力が失敗した場合には「軍事的手段だけが選択肢として残る」と語った。一方で「平和的な解決を目指していることをはっきりさせなければいけない」とも指摘。当面は米朝が軍事衝突に至る可能性は低いとの見方が米株の買い安心感につながった。
米連邦準備理事会(FRB)は19~20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。市場では保有資産の圧縮開始を発表することが確実視されており、米長期金利は18日に一時2.23%と約1カ月ぶりの水準まで上昇した。利ざや拡大が業績改善の追い風となるJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど、金融株が買われたのも相場を押し上げた。
18日付でUBS証券が投資判断を引き上げた建機のキャタピラーが2%上昇した。経営陣が一部事業の先行きに強気の見方を示していたゼネラル・エレクトリック(GE)や主力航空機を増産するボーイングにも買いが続いた。業績期待が高まっているこうした銘柄への物色が広がり、相場の支えとなった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比6.172ポイント(0.1%)高の6454.639で終えた。多くの機関投資家が運用の参考指標とするS&P500種株価も続伸し、連日で過去最高値を更新した。
業種別S&P500種株価指数は全11業種のうち6業種が上げた。「金融」「素材」「資本財・サービス」などが上昇。一方で「公益事業」「不動産」などが下落した。
防衛大手のノースロップ・グラマンが高い。航空・防衛のオービタルATKを負債を含めて92億ドル(約1兆250億円)で買収すると発表し、業容拡大を期待した買いが広がった。
証券会社のアナリストによる目標株価の引き上げが伝わった画像処理半導体(GPU)のエヌビディアが上場来高値を更新。ダウ平均を構成する30銘柄ではアメリカン・エキスプレスやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が高い。
一方で、マテルやハスブロといった玩具メーカーが安い。米玩具販売大手トイザラスは週内にも連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請すると米メディアが報じ、年末商戦への警戒から売られた。
新たなハリケーンの接近でユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスやアメリカン航空といった空運株が下落。アマゾン・ドット・コムやフェイスブックなどの代表的なネット関連株が軒並み下げた。ダウ平均ではアップルやナイキの下げが目立った。
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