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【NQNニューヨーク=横内理恵】27日の米株式相場は反落した。ダウ工業株30種平均は前日比120ドル93セント(0.5%)安の2万5777ドル90セントで終えた。米中貿易摩擦や世界景気に対する根強い不透明感が相場の重荷となった。中国政府が発表した消費拡大策が好感され買いが先行したが、次第に売りに押された。
ダウ平均は一時176ドル安まで下げ幅を広げた。米中貿易協議について進展を期待させる新たな材料がなかった。米中が前週末にお互いへの制裁措置を拡大したことから、交渉が難航する可能性が改めて意識された。
景気後退の前兆とされる「逆イールド」が強まったことも投資家心理を冷やした。この日は米2年債利回りが10年債利回りを一時0.05%程度上回り、利回り差は2007年以来の大きさとなった。
中国に生産拠点を持つアップルや、中国売上高の大きい航空機のボーイングなど米中摩擦の影響を受けやすい銘柄の下げが目立った。ダウ平均では医療保険のユナイテッドヘルス・グループの下げも大きかった。景気敏感株とされる資本財株が下げ、逆イールドで利ざやが縮小するとの見方から金融株も総じて売られた。
朝方は買いが先行し、ダウ平均は155ドル高まで上げる場面があった。トランプ米大統領が前日に中国との貿易交渉を再開すると表明し、米中貿易戦争への過度の警戒感が和らいだ。中国政府が27日に20項目の消費拡大策を発表したことも買い安心感につながった。
医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が上げ、ダウ平均を下支えた。医療用麻薬「オピオイド」中毒のまん延に責任があるとして、オクラホマ州の判事から制裁金の支払いを命じられたが、金額が想定より小さいと受け止められた。
J&Jに加え、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や通信のベライゾン・コミュニケーションズなど業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄は相対的に堅調だった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反落し、同26.789ポイント(0.3%)安の7826.946で終えた。