米国株、ダウ続落し7ドル安 アップル下落、石油と小売り株は上昇
【NQNニューヨーク=古江敦子】26日の米株式相場は続落した。ダウ工業株30種平均は3連休前の22日終値に比べ7ドル85セント安の2万4746ドル21セントで終えた。アップルに売りが膨らみ、指数を押し下げた。年末を控えて半導体などIT(情報技術)関連銘柄に利益確定売りが広がった。もっとも、石油株や小売り株が上げ、下値は堅かった。
アップルが3%近く下落し、ダウ平均を1銘柄で30ドルあまり押し下げた。台湾メディアの経済日報が25日、11月発売の新型スマートフォンの「iPhone(アイフォーン)X(テン)」の販売低調を理由に「アップルがiPhoneXの2018年1~3月期の販売目標を5000万台から3000万台に引き下げた」と報じた。目先の収益が伸び悩むとの警戒感が売りを誘った。
アップルに部品を提供する半導体メーカーなどにも売りが波及した。IT関連株は年初からの相場上昇をけん引していたため、年末を前に利益確定の売りが目立った。
もっとも、下げの勢いは限られた。米原油先物相場の期近物が一時1バレル60ドル台と約2年半ぶりの高値を付け、シェブロンやエクソンモービルなど石油株が上昇した。クレジットカード大手のマスターカードの調査部門が米年末商戦期の小売売上高の伸び率が6年ぶりの高水準になったと発表した。業績改善への期待からホームセンターのホーム・デポや百貨店メーシーズなど小売り株に買いが入り、相場を支えた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は、前週末比23.711ポイント(0.3%)安の6936.249で終えた。フェイスブックやマイクロソフトなど時価総額の大きい主力株が下落し、指数を押し下げた。
業種別S&P500種株価指数は全11業種のうち「公益事業」「金融」「IT」など4種が下げた。「エネルギー」や「不動産」、「生活必需品」は上げた。
自社株買いの縮小を発表した金融のキャピタルワン・ファイナンシャルが安い。ダウ平均の構成銘柄では半導体のインテルや化学のダウデュポン、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなどの下げが目立った。
一方、年末商戦のネット通販が好調だったと発表したアマゾン・ドット・コムが上昇。ダウ平均の構成銘柄では小売り世界最大手のウォルマート・ストアーズやスポーツ用品のナイキなどが上昇した。
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