米国株、ダウ続伸し9ドル高 北朝鮮巡る地政学リスクが後退
【NQNニューヨーク=古江敦子】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら続伸した。前日比9ドル36セント高の2万4884ドル12セントで終えた。北朝鮮が非核化について米国と対話する姿勢を示し、地政学リスクが和らぎ投資家心理を支えた。米政権による保護主義的な通商政策への警戒感はくすぶり、相場の上値を抑えた。
北朝鮮が非核化などについて米国と対話する姿勢を表明した。対話が続く間は核実験やミサイル発射を凍結する考えを示し、北朝鮮を巡る緊張緩和につながるとして買い安心感が出た。
ただ、午前は売り優勢で推移する場面もあった。ライアン下院議長が記者会見で、トランプ大統領が打ち出した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に反対する姿勢を示した。米政策運営の不透明感を受け、投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から売りが出た。
航空機のボーイングや航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズなどの下げが目立ち、ダウ平均の下げ幅は一時166ドルに達した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比41.302ポイント(0.6%)高の7372.007で終了した。アルファベット(グーグル)やアマゾン・ドット・コムなど時価総額の大きい主力株が上昇し、指数を押し上げた。
業種別S&P500種株価指数は全11業種のうち「素材」「一般消費財・サービス」「資本財・サービス」など9業種が上昇。「公益事業」や「ヘルスケア」は下げた。
アナリストの目標株価引き上げが相次いだ動画配信のネットフリックスが上場来高値を更新した。四半期決算で利益と売上高がともに市場予想を上回ったネットワーク機器のシエナが大幅高。金融大手が投資判断を引き上げた製薬のマイランが上げた。
ダウ平均の構成銘柄では建機のキャタピラー、ゼネラル・エレクトリック(GE)や化学のダウデュポン、金融のゴールドマン・サックスなどが上昇した。
一方、朝方発表の四半期決算で採算が悪化したディスカウントストアのターゲットが下落した。
ダウ平均の構成銘柄では小売りのウォルマートや日用品・医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソンなども下げた。
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