米国株、ダウ反発し237ドル高 香港情勢への警戒後退で
【NQNニューヨーク=戸部実華】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比237ドル45セント(0.9%)高の2万6355ドル47セントで終えた。香港政府が「逃亡犯条例」の改正案を撤回し、6月から続く大規模デモが収束に向かうとの期待が広がった。英国の欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」が避けられるとの観測も出て、投資家心理が改善した。
香港の林鄭月娥・行政長官は4日、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡せるようにする逃亡犯条例の改正案を撤回すると表明した。デモの経済への影響が懸念されていただけに、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。
英議会下院は4日、欧州連合(EU)からの離脱延期を政府に義務付ける法案を可決した。法案は上院に送られて成立する可能性が高く、合意なき離脱が回避されるとの期待が高まったのも株買いにつながった。
中国の景気指標の改善も相場を支えた。4日発表の8月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が景気判断の境目となる50を上回り、3カ月ぶりの高水準となった。中国売上高比率が高い建機のキャタピラーや半導体のインテルなどが買われた。世界景気の減速懸念が薄れ、原油先物相場が大幅に上昇。石油のエクソンモービルやシェブロンも買われた。
米債券市場では米10年物国債利回りと2年債の逆転(逆イールド)がひとまず解消した。利ざや悪化に歯止めがかかるとの見方から、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株に幅広く買いが入った。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比102.722ポイント(1.3%)高の7976.880で終えた。日本経済新聞(電子版)が4日に「iPhone(アイフォーン)の価格を抑えた新製品を来年春にも発売する」と報じたアップルが2%近く上げた。フェイスブックやマイクロソフトなど他の主力株も軒並み高い。
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