米国株、反落 ダウ360ドル安 米労働市況の悪化で景気懸念強まる
【NQNニューヨーク=川内資子】3日の米株式相場は反落した。ダウ工業株30種平均は前日比360ドル91セント(1.7%)安の2万1052ドル53セントで終えた。新型コロナウイルスの感染拡大に弱まる気配がないうえ、3月の米雇用統計で雇用者数が9年半ぶりに減少した。米景気への懸念が強まり、幅広い銘柄に売りが優勢となった。
雇用統計では景気動向を映す非農業部門の雇用者数が前月比70万1000人減と、2010年9月以来の減少となった。外食や小売業の落ち込みが大きく、全体の減少幅は市場予想(約14万人減)を大きく上回った。失業率は4.4%と前月(3.5%)から大きく上昇した。労働市況の急速な悪化を映した。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米国の新型コロナの感染者数は3日に26万人を超えた。ニューヨーク州のクオモ知事は3日の記者会見で、新型コロナで前日から新たに562人が死亡したと発表した。同州の1日の死者数としては過去最多で、状況の悪化が改めて意識された。
クレジットカードのアメリカン・エキスプレスとビザや、医療保険のユナイテッドヘルス・グループが大きく下げた。前日夕に米国事業の従業員の一部を一時帰休すると発表した映画・娯楽のウォルト・ディズニーも安い。JPモルガン・チェースなど金融株も売られた。ダウ平均の下げ幅は一時550ドルに達した。
朝方は小高くなる場面もあった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国が協調減産を協議しているとの報道を受け、米原油先物相場がこの日も大きく上昇。投資家心理の悪化が和らぎ、米株にも買いが入った。
ナスダック総合株価指数は同114.228ポイント(1.5%)安の7373.083で終えた。アップルやアルファベット、交流サイト(SNS)のフェイスブックなど大型ハイテク株が軒並み下落した。