米国株、ダウ続伸し142ドル高 主要3指数が過去最高値
【NQNニューヨーク=戸部実華】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比142ドル88セント(0.5%)高の2万6214ドル60セントで終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数、機関投資家の多くが運用指標に据えるS&P500種株価指数も続伸し、主要3指数が過去最高値を更新した。米政府機関の一部閉鎖が解除される見通しだと伝わり、買い安心感が広がった。米主要企業の決算発表が相次ぐなか、業績期待も相場を支えた。
つなぎ予算の期限が切れ、前週末から米政府機関は一部閉鎖された。政治リスクが警戒され、午前中のダウ平均は下げる場面があった。米東部時間の午後、米上院が2月8日までのつなぎ予算の採決実施で合意したと報じられた。安堵感からの買いが幅広い銘柄に入り、株価指数は午後に上げ幅を広げた。
米企業業績を期待した買いも続いた。22日の取引終了後に決算を発表した動画配信のネットフリックスは、先回りの買いで大幅高となり上場来高値を更新。23日に発表を控える通信のベライゾン・コミュニケーションズや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も上げた。
米長期金利が高止まりし、利ざや改善期待から金融株も買いが優勢だった。原油先物相場の上昇を受けて、エクソンモービルやシェブロンといった石油株の上昇も相場全体を支えた。
ナスダック総合株価指数は前週末比71.652ポイント(1.0%)高の7408.032で終えた。アルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックなど主力株が堅調だった。M&A(合併・買収)発表が相次いだバイオ製薬関連株は、再編期待の買いが幅広く入った。
業種別S&P500種株価指数(全11業種)では「電気通信サービス」「エネルギー」「一般消費財・サービス」など9業種が上昇した。一方「素材」「資本財・サービス」は下落した。
仏製薬大手サノフィが買収を発表した米バイオ製薬のバイオベラティブが急騰。バイオ製薬のセルジーンが買収で合意したジュノ・セラピューティクスも大幅高だった。セルジーンは小じっかり。大株主の投資家らが身売りを求める見通しと伝わった事務機器のゼロックスも高い。
ダウ平均の構成銘柄では、半導体のインテル、マイクロソフト、ホームセンターのホーム・デポが上昇した。
損害保険のバリダス・ホールディングスを買収すると発表した米保険大手AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)は、財務負担を嫌気した売りが優勢だった。アナリストによる投資判断の引き下げが伝わったゼネラル・エレクトリック(GE)とアップルも売りに押された。
ダウ平均の構成銘柄ではスポーツ用品のナイキ、航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズ、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が下げた。
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