米国株、反落 ダウ40ドル安 米政治混乱で一時急落、減税期待で下げ渋り
【NQNニューヨーク=横内理恵】1日の米株式相場は反落した。ダウ工業株30種平均は前日比40ドル76セント(0.2%)安の2万4231ドル59セント、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同26.387ポイント(0.4%)安の6847.586で取引を終えた。ロシア疑惑の再燃で米政治が混乱するとの懸念から、ダウ平均は一時350ドル安と急落した。税制改革実現への期待が相場を支え、引けにかけては下げ渋った。

フリン前大統領補佐官がロシア高官との接触について米連邦捜査局(FBI)に虚偽の供述をした罪で訴追され、有罪を認めた。米ABCニュースは午前中ごろ、フリン氏がトランプ氏に直接指示されたと証言する可能性があると報じた。捜査が大統領や政権中枢の関与に移り、大統領による司法妨害などに発展する可能性が意識され、投資家心理を冷やした。
米10年債利回りが一時急低下し、金融株売りを誘う場面があった。米国株は前日に大幅上昇したうえ、最高値更新を続けてきたため、利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。
ただ、引けにかけては下げ幅を縮小した。上院本会議で早ければ1日中に税制改革法案を採決するとみられている。取引時間中には間に合わなかったが、上院共和党のトップのマコネル院内総務が可決に必要な票数が集まったと述べたと伝わった。法人税の大幅引き下げを含む減税案の期待が相場を支えた。
業種別S&P500種株価指数(全11業種)では「資本財・サービス」「素材」など5業種が下落、「電気通信サービス」など6業種が上げた。
半導体のクアルコムが安い。同社への買収を提案している同業のブロードコムが買収価格引き上げに消極的と伝わった。ブロードコムも安い。前日夕の決算と併せて発表した業績見通しが慎重だった化粧品小売のアルタ・ビューティーも安い。ダウ平均ではゼネラル・エレクトリック(GE)や航空機のボーイングが下落した。
製薬のマイランが上昇。アマゾン・ドット・コムと医薬事業で提携協議に入ったとの報道を好感した買いが入った。前日夕に発表した決算が市場予想を上回った仮想化技術開発のヴイエムウェアも上げた。ダウ平均では製薬のメルクやシスコシステムが高い。