米国株、ダウ続落し2ドル安 2カ月ぶり安値 米利上げ観測が重荷
【NQNニューヨーク=川内資子】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら4日続落し、前日比2ドル51セント(0.0%)安の1万7764ドル04セントと4月2日以来ほぼ2カ月ぶりの安値で終えた。米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げ開始観測を背景とした売りが続いた。
根強い年内の米利上げ開始観測などを背景に、米長期金利が上昇した。金利上昇による企業や家計の資金調達コスト増が景気や企業収益の重荷となるとの警戒感から、株式を売る動きがやや優勢となった。
ただ、足元で相場の下落が続いていただけに値ごろ感からの買いも入り、ダウ平均は前日終値を上回って推移する場面もあった。
ナスダック総合株価指数は続落し、同7.762ポイント(0.2%)安の5013.865と5月13日以来ほぼ1カ月ぶりの安値で終えた。アップルなど時価総額が大きい銘柄の一角が売られ、指数を押し下げた。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「電気通信サービス」や「IT(情報技術)」など5業種が下落した。一方、「生活必需品」や「金融」などが上昇した。
ヒューレット・パッカード(HP)は小安い。巨額の赤字の原因となった英ソフト会社の買収に関して投資家から訴えられていた件で、1億ドルの和解金支払いで合意したと発表した。四半期決算で最終損失が前年同期から拡大した住宅のホブナニアン・エンタープライゼズが急落。映画・娯楽のウォルト・ディズニーや外食のマクドナルド、航空機のボーイングなどが下げた。
一方、業績見通しを引き上げたスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカが急伸。缶スープのキャンベル・スープが買われた。同業のガーデン・フレッシュ・グルメの買収を発表したのが手掛かり。プライベート・エクイティ(PE・非公開株)向け融資事業をカナダの年金基金に売却すると発表したゼネラル・エレクトリック(GE)は上昇した。