米国株、ダウ9日ぶり反落 中東情勢受けた原油高で
【NQNニューヨーク=岩本貴子】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は9営業日ぶりに反落し、前週末比143ドル24セント安の2万7076ドル28セント(速報値)で終えた。サウジアラビアの石油施設が14日に無人機の攻撃を受け、原油先物相場が急伸した。企業の生産などのコスト増加やガソリン価格の上昇による消費の減退を警戒した売りが優勢になった。
サウジの国営石油会社サウジアラムコの石油施設が14日、無人機の攻撃を受け親イラン武装組織フーシが犯行声明を出した。トランプ米大統領は15日「我々は犯人を知っておりその理由もある。検証結果によっては臨戦態勢をとる」とツイッターに書き込んだ。
米国とイランとの対立が深まるとの警戒感が強まったうえ、原油価格が上昇したことで生産コストや輸送費の増加を警戒した売りが優勢になった。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などが売られた。消費減退懸念からウォルマートなど小売株も下げた。長期金利の低下を受け金融のゴールドマン・サックスなども売られた。ダウ平均の下げ幅は一時186ドルまで広がった。
一方、原油先物相場の上昇で、石油関連企業には米国内のエネルギー開発が広がるとの思惑から買いが膨らんだ。ダウ平均の構成銘柄ではシェブロンとエクソンモービルが買われ、下値を支えた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。