米国株、大幅続落 ダウ今年最大の下げ幅、米中対立の激化を警戒
【NQNニューヨーク=滝口朋史】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に5日続落し、前週末比767ドル27セント安の2万5717ドル74セント(速報値)と6月5日以来2カ月ぶりの安値で終えた。下げ幅は今年最大で2018年12月4日以来ほぼ8カ月ぶりの大きさ。米中の貿易摩擦が激化するとの懸念から運用リスクを回避する動きが広がった。アップルが5%強下落するなど中国への収益依存度が高い銘柄を中心に売りが膨らんだ。
人民元が対ドルで約11年ぶりの安値を付け、米国の制裁関税に対抗するため中国政府が通貨安を容認したとの見方が広がった。トランプ米大統領が5日、「為替操作や不公正な貿易で数千億ドルを米国から奪い続けようとしている」などの中国批判を相次いでツイッターに投稿した。
中国商務省は現地時間6日未明に米国からの農産品の購入を一時停止すると発表した。トランプ米大統領が対中制裁関税「第4弾」の発動を表明したのを受けた制裁措置としている。トランプ政権の反発は必至で、米中の対立が深まり、長期化は避けられないとの懸念が投資家心理を悪化させた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日続落し、278.033ポイント安の7726.040(同)とほぼ2カ月ぶりの安値で終えた。「第4弾」にはノートパソコンやスマートフォンが含まれるため、画像処理半導体(GPU)のエヌビディアやマイクロン・テクノロジーといった半導体関連株に売りが膨らんだ。フェイスブックやアルファベット、アマゾン・ドット・コムなど主力株も軒並み下げた。