米国株、反落で始まる ダウ98ドル安、中国景気を警戒 半導体株安い
【NQNニューヨーク=滝口朋史】14日の米株式相場は反落して始まった。ダウ工業株30種平均は午前9時35分現在、前日比98ドル14セント安の2万6008ドル63セントで推移している。中国経済の先行きに対する警戒感が一段と強まり、投資家心理が悪化した。年後半の需要回復に対する期待が後退した半導体関連株が売られているのも相場の重荷になっている。一方、米景気減速に対する警戒感がやや和らぎ下値は限られている。
中国国家統計局が14日に発表した5月の工業生産高や1~5月の固定資産投資が軒並み市場予想を下回った。米国が昨年に追加関税を課した工作機械やロボットの生産などが大幅に減り、生産高の伸び率は2009年1~2月以来の低さとなった。米中の貿易摩擦が中国経済に与える悪影響が予想以上との警戒感が広り建機のキャタピラーなど中国への収益依存度の高い銘柄が下げている。
半導体関連株が売られているのも相場を下押ししている。ブロードコムが13日夕に19年10月期の売上高見通しを下方修正した。華為技術(ファーウェイ)向けの落ち込みに加え、「幅広い需要の減速を経験している」と説明した。ブロードコムが大幅安で始まったほか「多くの半導体企業が描いていた年後半の回復シナリオは消え去った」(ロバートWベアード)との見方から、インテルなどにも売りが先行した。
一方、米景気の減速に対する警戒感が後退したのが相場の支えになっている。米商務省が発表した5月の小売売上高は前月比0.5%増と市場予想の0.6%増を小幅に下回った。ただ、4月分が0.2%減から0.3%増に上方修正され3カ月連続の増加となった。市場では「個人消費は4~6月期に入ってから加速している」(CIBCキャピタル・マーケッツ)との指摘があった。