海自ヘリ事故、機体の一部発見 3人なお不明
青森県沖で4人乗りの海上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った事故で、小野寺五典防衛相は27日、防衛省で記者団に対し、現場付近の海域で機体の一部を発見したと明らかにした。ヘリは墜落した可能性が極めて高くなった。乗組員3人が行方不明で、海自や海上保安庁が捜索している。

小野寺氏によると、フライトレコーダー(飛行記録装置)を回収しデータの抽出に成功。海自は海上幕僚監部に事故調査委員会を設置、今後データの解析を進め、救助された男性隊員からも話を聴いて原因を調べる。海自は27日午前8時から同型機の飛行を自粛した。
海自によると、見つかったのは、機体の下部に取り付けられたレーダーのカバーの一部。材質から事故機のものと断定した。飛行記録装置は機体に強い衝撃が加わったり、水に浸ったりすると自動で機体から分離。その後、海面まで上昇し遭難信号を発する仕組み。
事故は26日午後10時50分ごろ発生。大湊航空基地(青森県むつ市)所属のSH60J哨戒ヘリが、竜飛崎西南西約90キロの日本海上で連絡が途絶えた。機長の佐藤佑樹3等海佐(36)ら男性隊員4人が搭乗。1人は約40分後に救助され無事だった。
ヘリは護衛艦せとぎりで、他の海自艦艇2隻とともに艦艇後部に設けられた飛行甲板への夜間の発着艦訓練中だった。小野寺氏は27日「安全な航空機の運航を心掛ける必要があり、しっかりとした態勢を取っていきたい」と述べた。
気象庁の気象衛星や気象レーダーの画像によると、事故当時、現場付近の海上には発達した雨雲はなかった。
同型の哨戒ヘリは2012年に青森県陸奥湾で、護衛艦に接触して墜落し、機長が死亡する事故を起こしている。
発生時間は当初、午後11時ごろとの情報があったが、海自の調べで同10時50分ごろと判明した。〔共同〕