オスプレイ、初の災害支援 南阿蘇村に物資輸送
熊本、大分両県を中心に相次ぐ地震の被災者支援活動の一環として、米軍普天間飛行場(沖縄県)所属の新型輸送機MV22オスプレイ2機が18日、熊本県南阿蘇村に水や食料、毛布などの救援物資約20トンを輸送した。日本の災害支援にオスプレイが投入されるのは初めて。
陸上自衛隊は2019年度からオスプレイ17機を順次配備予定。日米両政府には強固な同盟関係をアピール、さらに活動を通じてオスプレイの性能の高さを訴え、日本国内に根強い安全性への懸念を払拭したいとの思惑があるとみられる。

中谷元・防衛相は18日、東京・市谷の防衛省で記者団に「オスプレイは垂直に離着陸可能なので、山間部や孤立した避難所への物資や人員の輸送に非常に適している」と強調。安全性については「政府として確認している」と述べた。
オスプレイは17日、普天間から岩国基地(山口県)に到着。飛来した4機のうち2機が18日午後3時半ごろ、同基地を離陸し、陸自高遊原分屯地(熊本県)で物資を積み込んだ後、同5時すぎ、南阿蘇村に着陸した。
オスプレイは19日以降も、岩国基地を拠点に熊本県内の物資集積所から被災地に輸送を行う。活動中は、同県八代市沖に停泊している海自のヘリコプター搭載型護衛艦「ひゅうが」で燃料補給を受ける予定。
支援活動にはオスプレイのほかに米空軍C130輸送機や米海軍UC35輸送機も参加した。C130の2機が18日午後、空自千歳基地(北海道)から熊本空港に自衛隊員や車両を輸送。UC35が厚木基地(神奈川県)から自衛隊員を熊本空港に運んだ。〔共同〕