糸魚川の大火で実況見分 延焼150棟、けが8人に
新潟県糸魚川市の中心部の大火から一夜明けた23日午前、県警と地元消防は、火元となった同市大町1丁目の中国料理店などを実況見分した。消防は、最終的な鎮火に向けて消火活動を続けた。

市は23日午前8時現在、延焼は約150棟、約4万平方メートルに及んだとみられると発表。新たに消防団員3人のけがが確認され、けが人は住人2人を含め計8人になった。新潟県の米山隆一知事は同日、現場を視察した。
天皇陛下は、皇居・宮殿で行われた誕生日の一般参賀で同市の大火に触れ「多くの人が寒さの中、避難を余儀なくされており、健康に障りのないことを願っています」とあいさつされた。
市は約360世帯、約740人に避難勧告を出しており、鎮火後に勧告を解除する方針。23日朝の時点で、市内3カ所に計40人以上が避難しており、市は保健師6人を配置し対応に当たった。
市民会館に避難した女性(76)は、経営する飲食店と自宅を兼ねる建物がほとんど焼けた。「2時間ぐらいしか眠れなかった。大切な物を全部いっぺんになくしてしまった」と手を胸に当て、声を詰まらせた。
現場付近は焦げ臭いにおいが立ち込め、黒焦げの建物の壁や、焼け落ちたがれきがあらわになっていた。様子を見に来た無職白石稔さん(78)は自宅は被害に遭わなかったが「想像以上。ゆうべの雨がもう少し早く来てくれれば良かったが」と無念そうに話した。
火災は22日午前10時半ごろに発生。強風が影響し、約10時間半後にほぼ消し止められた。〔共同〕





