皇居で文化勲章の親授式 ノーベル賞の大村さんら
文化勲章の親授式が3日、皇居・宮殿「松の間」であり、ノーベル医学生理学賞受賞が決まった大村智さん(80)や同物理学賞受賞が決まった梶田隆章さん(56)、法律学・行政法学の塩野宏さん(84)らに天皇陛下から勲章が手渡された。

親授式の後、受章者を代表して塩野さんがお礼のあいさつを述べ、天皇陛下は「長年努力を重ね、大きな業績を収められ、文化の向上に尽くされたことを誠に喜ばしく思います。今後ともそれぞれの分野の発展に尽くされるよう願っております」とねぎらわれた。
ほかに受章したのは、俳優の仲代達矢さん(82)、染織の志村ふくみさん(91)、光通信工学の末松安晴さん(83)、神経科学の中西重忠さん(73)。仲代さんは公演のため式を欠席した。
親授式に出席した6人は宮殿東庭での記念撮影にも臨んだ後、宮内庁で記者会見。大村さんは「胸が詰まる思いがした。大変光栄なことです」とし、「一番苦労しているときに助けてくれた家内がここに来られなかったのは非常に残念」と硬い表情で続けた。

胸のポケットには亡くなった妻文子さんの写真を入れてきた。「ありがとう。おかげで文化人の仲間入りをさせてもらいましたよ」と感謝の言葉を口にし、ようやく笑みがこぼれた。
梶田さんは「非常にうれしいです」と笑顔を浮かべ、「基礎科学の発展に、微力ですが頑張っていきたい」と語った。
ヨモギで染めた着物姿の志村さんは「日本の女性が、ずっと目立たない仕事だけどそれを貫いてきたことを、私を通して皆さまに知っていただければ大変うれしい」と笑顔。中西さんは「好きな道を選んでやってきたにもかかわらず、このような非常に名誉のある賞をいただいて本当に感激しております」とした。
末松さんは「研究仲間や先生を代表していただいた感じが強くした」と述べ、塩野さんも「学会の代表者の一人として今回の賞を受けたと考えています」と話した。〔共同〕
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