2019年2月18日(月)

安定成長狙う中国は改革の公約実行を

2016/4/16 3:30
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中国の経済減速が続いている。2016年1~3月の国内総生産(GDP)は前年同期比6.7%増で、リーマン・ショック後の09年1~3月以来、7年ぶりの低水準だった。中国の変調は世界経済に影響する。中国政府には国有企業の抜本改革など中長期的に成長力を高める対策を求めたい。

成長を引っ張ってきた工業生産の伸びは供給過剰で鈍っている。頼みの個人消費の勢いにも陰りがある。建設や設備への投資は、住宅購入規制の緩和もあって上向いたものの、既に大都市の住宅市況は過熱気味だ。不動産開発に頼る景気テコ入れには限界がある。

先に中国政府は今年の成長目標を6.5~7%とし、今後5年間の目標も年6.5%以上とした。中国の李克強首相は「中高速成長」に自信を示したが、そこへの軟着陸には困難が伴うことを浮き彫りにした。

今後も減速が続けば目標達成に黄色信号がともる。中国政府には危機感があり、景気の腰折れを防ぐ様々なテコ入れ策を打ち始めた。海外で購入した商品を中国内に持ち込む際に課す関税の引き上げもその一環だ。対象は高級腕時計や酒、化粧品など。中国人観光客の「爆買い」に歯止めをかけ、国内での消費を促す狙いがある。

とはいえ、こうした小手先の施策の効果は限られる。しかも、最も大切な視点が抜け落ちている。中長期的な安定成長を確保するため、中国自身が打ち出した公約を実行していないという問題だ。

13年11月に開いた経済政策の方向性を示す共産党中央委員会第3回全体会議(3中全会)では、市場メカニズムを重視し、中央政府の管理を減らす構造改革の断行と、その理念に沿った国有企業改革がうたわれた。

それから2年半。一連の構造改革が停滞しているばかりか、共産党による管理強化と、国有企業の肥大化が目立つ。市場メカニズムを尊重しないが故に、供給過剰の原因だった「ゾンビ企業」の淘汰も遅れた。

市場志向の改革を期待してきた中国内の経済専門家からは、強い不満が聞かれる。内外の市場との真摯な対話の不足は、海外勢の対中投資姿勢にも影響している。

今、必要なのは理念に基づく構造改革の継続だ。それが習近平国家主席ら中国指導部が強調する経済の「ニューノーマル」、中長期的な安定成長への道を開く。

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