2019年1月21日(月)

障害者の活躍促す社会に

2016/4/5 3:30
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公的機関や民間事業者に対して、障害者への不当な差別を禁止する「障害者差別解消法」が4月から施行された。

安倍政権は時あたかも「一億総活躍社会」の実現を掲げる。法施行を機に障害の有無に関係なく、個人が持てる能力を生かし、社会に参加し、活躍できる環境づくりを進めたい。周知が進んでいるとも言い難いので、政府は法の趣旨の徹底も図ってもらいたい。

この法律は、日本政府が国連の「障害者権利条約」を締結するに当たって必要との位置づけで制定された。障害者であるというだけで、正当な理由もなく、サービスの提供や入学などを拒否する差別的な扱いを禁じている。

車いすでの移動の手助けをしたり、筆談や点字でコミュニケーションしたりする配慮なども必要とした。これらの配慮については国や地方公共団体は義務とし、民間事業者は努力義務とした。

また、同時に施行された「改正障害者雇用促進法」では募集、採用、賃金など雇用面での不当な差別禁止が定められた。車いすの人のための机の高さの調節など働きやすい職場をつくる配慮は、民間事業者でも義務とされた。

法律は、事業者などにとって過度の負担となるような配慮まで求めているわけではない。障害者の状況、能力などをよく理解したうえで、事業者と障害者が互いによく話し合い、最も適切な解を求めていくことが大切になる。今後は形だけの配慮に終わらぬよう、地域で監視していく仕組みの強化なども求められるだろう。

障害者雇用を進める企業からは「それまであうんの呼吸で進めていた仕事を障害者にわかりやすい形に図式化したところ、健常者のミスも減った」といった声も出ている。障害者がかかわることで、予想以上の利益がもたらされる可能性もあり得る。

障害者を差別しない社会は、だれもが暮らしやすい社会だともいえる。堅苦しく考えず、前向きに取り組んでいきたい。

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