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ミニトマト、文旦…ペットも食べて 高知産売り込み

飼い主も購入 「スーパーより高単価」

高知県の産学が県産野菜や果物をペット向けに売り込んでいる。高級ペットショップにトマト、土佐文旦などを並べてもらい、ペットと飼い主に一緒に食べてもらう。食に関心の高い人はペットの食べ物にもこだわり、質が良ければ高くても買う点に着目。来店客に県産品の魅力を訴え、収入増につなげる作戦だ。

犬向けにトマト

高知県の野菜や果物をペットショップで販売(神奈川県鎌倉市)

今年2月、ペットショップ運営のAHB(東京・江東)が展開する「ペットプラス」の東京と神奈川の2店にブロッコリーが並んだ。高知県南国市で野菜の生産などを手がける堤農園が栽培したもので、ペットだけでなく人間もそのまま食べることができる。

仕掛け人は高知工科大学の松崎了三教授と堤農園の堤健治氏、ペットフード製造販売のWANLIFE(ワンライフ、高知県四万十市)の梅原俊順代表だ。高級ペットショップに県産野菜コーナーを設けてもらい、来店客に売り込もうとしている。販売するのはミニトマトやニンジン、イチゴなど犬でも食べられる商品のみだ。

「高齢者の中には、自分の孫よりもペットの犬により多くのお金をかけている人もいるということを耳にする。ペット向けの農産品販売はほとんど誰も目をつけていない分野で、有望市場だ」。松崎教授は狙いを強調する。

ワンライフの梅原代表は「既に週に1度ミニトマトを10パック購入する人も出てくるなど、リピーターがつき始めた」と手応えを語る。今後、AHBでは高知産の野菜や果物を扱う店舗を増やす方針だ。

販路はペットショップだけではない。犬も入れるカフェなどへも売り込む。まず、31日に始まる国内最大級のペット関連用品の見本市「インターペット」に出展し、知名度を高めていく。

初年度は2つの販路を中心に売上高200万~300万円を目指し、3年後には2000万円にまで増やす。5年後には1億円にまで引き上げる計画だ。

ペット業界に野菜や果物を売り込むのは単価向上が期待できるからだ。堤農園の堤氏は「ペットプラスには富裕層が多い。県内のスーパーなどに比べて1.5倍の価格をつけても、良さを分かってもらえれば、自分用にも購入してくれる」と明かす。

安定供給に課題

矢野経済研究所(東京・中野)の調査では2015年度のペット関連市場は1兆4549億円と、14年度に比べ1%増えると予測。7年連続で増加しているとみられる。このうち、ペットフード市場も13年度は12年度比1%増の4476億円と拡大傾向にある。

梅原代表は「規模が大きく拡大しているわけではないが、ペットに対しても安心・安全や健康維持への関心は高まっており、追い風が吹いている」と期待を込める。

課題はある。野菜や果物の安定供給だ。現在、協力先として南国市や香南市などを中心に20人の農家を確保しているが、取扱店舗が増えてくると調達が難しい場面も考えられる。

とりまとめ役の堤氏は「まだ規模が小さいため、こちらに最優先で供給してくれるわけではない。売上高が伸びていけば優先順位も変わるはず」と話す。事業を軌道に乗せつつ、どうやって産品を調達するかが成功のカギを握りそうだ。

(高知支局長 古宇田光敏)

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