ロッテ、ネット通販で漫画コラボ 若者ファン獲得

2016/3/12 12:00
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ロッテがネット通販を強化している。人気漫画とコラボしたキャンペーンの展開や購入金額に応じたランク制度の導入など新しい手を次々と打ち出し、会員数は100万人規模に達した。ネットで集めた情報を商品開発に生かすほか、試食モニターになってもらうなど全体の底上げにつなげる狙いだ。

「痛ガム年賀状」キャンペーンで若い会員が急増(C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/弱虫ペダルGR製作委員会

「痛ガム年賀状」キャンペーンで若い会員が急増(C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/弱虫ペダルGR製作委員会

ロッテがネット通販を全面的に刷新したのは2011年。それまではただ既存の商品をサイト上に並べるだけで、売り上げは低調だった。

マーケティング統括部デジタルマーケティング部前部長の緒方久朗さんは「国内の胃袋が減るなかで、菓子メーカーにとってコアなファンを増やすことが欠かせない」と判断。12~13年に、グループ企業のメリーチョコレートカムパニーや銀座コージーコーナーが手がけていたネット通販を吸収し、個人情報を分析してリピーターを獲得する戦略を進めた。

それまでは顧客情報を積極的に活用しようとせず、代理店を通して実施してきたキャンペーンで応募時にユーザーが登録する個人情報は毎回破棄していた。

13年夏からキャンペーン専用のサイトを作り、メールアドレスとニックネームを登録するだけで応募できるようにした。キャンペーンのたびに登録する必要をなくし、メルマガなどで応募や購入をさりげなく促した。

同時にキャンペーンの内容も充実させた。15年10月には「弱虫ペダル」など人気キャラクターとコラボして、板ガム入りのポストカードを限定販売する「痛ガム年賀状」のキャンペーンを実施した。

ロッテのネット通販では会員は30~50代の主婦層が大半だったが、このキャンペーンで一気に10~20代を中心とした若者数千人が会員になった。現在、会員数は100万人規模にのぼる。

年間の購入金額に応じてポイントを与える「ランク制度」も設けた。「レギュラー」「ゴールド」など5ランクに分けて、ランクごとに割引クーポンやネット限定セールの内容を変えている。

会員数が一定規模に達したため、ネット通販専用の商品も増やしていく。たとえば、東京・南麻布の人気パイ専門店「リトル・パイ・ファクトリー」と組んで「おおきなパイの実〈専門店のアップルパイ〉」を販売。店頭でおなじみのパイの実より1個当たりの重さが3倍で、価格も1箱1000円(税別)と高めだったが、3カ月で完売した。

ネット通販の会員はメーカーにとってマーケティング戦略で強力な武器になる。昨年10月に発売した「スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ」ではネットの会員を対象に試食モニターを抽選で120人募った。

抽選にもれた3900人弱にはネットでアンケート調査を実施した。会員はロッテの商品への思いが強く、熱心に答えてくれる。

ネット通販の15年度の売上高はその前の年に比べ2割増となる見込みだ。年間に2回以上購入するユーザーは20%を超え、さらに「会員1人あたりの利用回数を平均年4回に引き上げる」(緒方さん)目標だ。

一般的に菓子メーカーは取引先の小売店に遠慮して、ネット通販にあまり力を入れてこなかったが、消費者と直につながれば様々な可能性が開けるはずだ。ネット通販を強化するロッテの試みはほかの菓子メーカーに刺激を与えそうだ。(服部良祐)

[日経MJ2016年3月9日付]

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