2019年5月27日(月)

仮想通貨を健全に育てよう

2016/3/7 3:30
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政府がインターネット上の決済取引などで急速に広がる仮想通貨の法規制案を決めた。その内容を盛り込んだ法案の今国会での成立をめざす。

2014年に仮想通貨ビットコインの取引所「マウントゴックス」が経営破綻し、顧客の資産が消滅した。一方で、仮想通貨で最大規模のビットコインの利用者は1千万人を超えるなど、世界的に普及が急加速している。

仮想通貨の安全性や透明性を高めつつ、市場を健全に育てるには一定のルールが要る。今回の規制案はその一歩と評価できる。

これまで政府は仮想通貨を単なる「モノ」とみなしてきたが、貨幣の機能を持つと認める方針に転じた。円やドルなどの現実の通貨と仮想通貨を交換する取引所は、登録制にする。利用者が口座を開く際の本人確認も義務づける。

仮想通貨がマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金に使われないようにするためにも、こうした措置は当然だ。

取引所は顧客と自己資金をわける「分別管理」をして、公認会計士による外部監査も受ける必要がある。規制により利用者は今より安心して取引しやすくなる。

仮想通貨が急速に広がっているのは、海外送金の手数料が既存の金融機関よりも安い点などが支持されている背景がある。

今後も仮想通貨を使った新商品・サービスが出てくるだろう。当局は悪質な取引所が出ないよう監視の目を光らせ、市場が健全に発展する環境づくりに全力を挙げてほしい。

積み残した課題もある。欧州の裁判所は仮想通貨を付加価値税(VAT)の対象外としたが、日本では消費税をかけている。仮想通貨を所有権の対象と認めるか否かという民法上の論点もある。

仮想通貨がさらに普及すれば、既存の法律との整合性が問われる事態も起きるだろう。市場の拡大にあわせ、利便性と安全性を両立できるようにルールを柔軟に見直す視点も忘れてはならない。

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