2019年1月18日(金)

革命30年を経たフィリピン

2016/2/27 3:30
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フィリピンでマルコス大統領の独裁体制を民主化運動が倒したピープルパワー革命から、30年が過ぎた。この間、クーデターの噂も幾度か流れたが、6年ごとの大統領選挙で政権が交代するルールはおおむね守られてきた。

特に2010年に就任したアキノ大統領は、腐敗対策の成果や比較的好調な経済を背景に高い支持率を誇り、政治は安定している。同じ東南アジアのタイが軍政下にあるのに比べれば、民主主義が機能していると評価できよう。

6月に退任するアキノ大統領の後任を選ぶ大統領選挙は、5月が投票だ。今のところ混戦模様だが、誰が当選しても、現政権の実績を踏まえつつ一層の発展につなげられるかどうかが問われる。

大きな課題の一つは、持続的な経済成長のための基盤整備だ。

海外出稼ぎ労働者からの送金やコールセンターなどサービス産業の発展、輸入に頼る原油の値下がりなどから、足元の景気は悪くない。15年の実質経済成長率は5.8%で、今年は6%を上回るとの見方が多い。

景気減速に苦しむ新興国が目立つ中では例外的に力強い印象で、かつて「アジアの病人」と呼ばれた面影はない。ただ、製造業の育成やインフラの整備は出遅れを挽回したとはいいがたい。貧富の格差も依然として大きく、社会と政治の不安定要因だ。

安全保障面の環境は、この30年で激変した。一つには、革命で高まったナショナリズムも背景に国内の米軍基地が閉鎖された。第二に、米軍が退いた隙を突いて中国が南シナ海への進出を加速した。アキノ大統領は中国との対決姿勢を鮮明にしてきたが、力による現状変更を阻めないでいる。

日本はフィリピンとともに西太平洋の「第一列島線」を構成している。直面する安全保障面の課題は相通じるところが少なくない。協力は進んでいるが、さらに連携を強化する必要があろう。経済面でウインウインの関係を深めていくことは、その一環でもある。

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